君と出会えた物語。
夕方になってバイトのため2人とバイバイした。
俊は告白してくれた日の次の日も普通に接してくれた。
だから気まずくもないし変わらず居心地がいい。
「おう!朱莉今日シフト?」
「うん。」
「頑張れよ!親父行ってくる。」
頭をポンっと撫でてどこかへ行ってしまった。
閉まったドアを見ている私に俊パパは言った。
「俊は買い出しだよ。」
「そ、そうなんですね!私着替えて来ます。」
なんで動揺してるんだろ。
恥ずかしい。
赤くなる顔に手を当てる。
「し、仕事しよ。」
ホールに出るとさっきよりすごく混んでいて忙しかった。
バタバタしているうちに閉店時間を少し過ぎてお店は閉まった。
「朱莉ちゃん遅くなってごめんね。」
時計を見ると9時半過ぎ。
いつもは遅くなるとダメだからって8時前には上がっていた。
「全然大丈夫です!帰っても誰もいないんで。」
「そっかぁ...じゃあ今日はご飯食べて帰りなよ。帰りは俊に送らせるし、どうかな?」
「え!?いいんですか?」
俊パパからご飯食べてくなんて言われるとは思わなかった。
嬉しい。
「いいよ。今日は俊が晩御飯作ってるんだよ。裏から家に入れるから先行ってて。」
「わぁーい!じゃあお邪魔します。」
着替えを済ましてお店の裏口を出ですぐのドアを開けた。
いい匂い...。
「おじゃましまーす...。」
なんか緊張するな...。
「え!?朱莉?」
廊下の向こうからひょこっと俊が顔を出す。
「あ、うん。俊パパがご飯食べていきなって。」
「親父...そういうことだったのか。」
俊は1人納得している。
「どういうこと?」
「いや、買い出し行ってたら連絡きて今日は多めに作ってくれって。」
俊パパは初めから私を誘うつもりで用意してくれてたんだ。