君と出会えた物語。
俊にリビングまで案内してもらう。
「ここ座ってて。もう作り終わるから。」
「うん。ありがとう。」
ここが俊の家なんだ。
ヒロの家は行ったことなかったし...。
「なんか、朱莉が家に居るって変な感じ...。」
「そうだね。私、初めて男の子の家きた。」
「え!?そうなの?」
俊は出来た物をテーブルに並べて隣に座った。
肩が触れそう...。
「朱莉はさ、俺のことどう思ってる?」
「え?」
「...好き?」
好きか嫌いかって言われると好き。
でも、私は...。
「俺は好きだよ。」
黙ってしまった私に俊は言った。
「私、俊の気持ちにこたえられない。」
あやふやになっていたけどちゃんと言っておきたい...俊は私にとって大切な人だから。
「なんで...?」
「俊がダメとかじゃなくて...私、今でもヒロのことが好きなの。ごめん...。」
ヒロのことは忘れようとはしてる。
それでも、私の心は今でもヒロがいる。
それが正直な私の気持ち。
新しい恋したら忘れられるって聞いたことあるけど...俊をそんなことに利用したくない。
「そっか...。でも、振り向いてもらえるまで諦めるつもりないから。寂しかったらいつでもウェルカムだよ!」
俊は気まずくならないように笑ってくれる。
ヒロのことを忘れて...
俊をちゃんと好きになれたらどんなに幸せなんだろ。