君と出会えた物語。
ピピピピ...ピピピピ...
「...うーん。」
体が重たい。
こんなに起きるのがしんどいのは久しぶりかも。
「あら、おはようございます。朱莉様今日は登校日でもないのにお早いのですね。」
夏休みも終わりに近づいてばあやはこの家に帰って来てくれた。
「ばあやおはよう。今日はお母様と約束してるんです。」
「それはそれはお母様ならリビングにおられますよ。」
「はぁーい。」
まだ眠いかも...。
半分寝ぼけたままリビングに向かうともう出かける準備の終えたお母様がコーヒーを飲んでいる。
「お母様おはようございます。」
「おはよう。お母さんは先に行くからここに準備終わったらあなたも来なさい。」
小さい紙を私に手渡すと先に出かけてしまう。
「いってらっしゃい...。」
誰もいないリビングにポツンと呟いた。
一緒に出かけるなんて言っていたのに先に行ってしまうしお母様が何考えてるのか分かんない。
「準備...しよ...。」
ピンクの可愛いワンピースを着て髪もメイクも完璧。
...て、なに気合い入れてんだろ。
久しぶりのお母様とのお出掛けはなんであれ嬉しいな。
足早に家を出る。
お母様にもらった紙を見て指定された場所に向かった。