危険なあなたともう一度…
梓さんと付き合い始めてもう早2週間がたった頃のお昼休み真希と屋上でお弁当を食べているが真希はあれからずっと機嫌が悪いが変わらず私の側にいてくれる。

「真希あのね…」

「羽久安」

「…なに?」

「羽久安は幸せなの?」

「…うん、幸せだよ」

「羽久安…そっか」

「真希ごめんね…私梓さんと付き合えて凄く幸せなんだ。確かに梓さんは私が踏み入れてはいけない世界にいる人だけど…それでも梓さんが大好きなの」

「…もういいよ。羽久安には負けたよ」

「真希…」

「羽久安に何かあったら私生きていけないもんそれがずっと怖かったけどあの件が合ってから梓さんが本気で羽久安の為に守ってくれる人だってわかったから安心した」

「真希…ありがとう」

さっきまでの怖い顔をしていた真希はもういなくていつもの笑顔の真希に戻っていた。

私を心配して梓さんに歯向かっていた真希は本当は怖かったはずなのに私の為に梓さんに攻撃していた事に嬉しかった。

真希が私の親友で良かったって本当に改めて気付かされる。真希は笑顔で"幸せにしてもらうんだよ"って私は笑顔で大きく頷く。

「それにしてもビックリするくらい男子共が羽久安を警戒してて笑えるよね」

「仕方ないよあの件があったんだから」

「ま、これで変な虫共はいなくなって安心」

「虫って」

「で、どうなの?梓さんとは」

「どうって?」

「もう!ほら!キスとかさ進展は?」

「っ///」

「お、その反応は何かありましたな?」

「…キスはした///」

「いやーん手が早いことで」

恥ずかしくて顔に熱を持つのがわかる。
まさか真希とこんな話をする日が来るなんて夢にも思わなかったけど…悪くないかも。

今まで彼氏とか恋愛に興味がなくて男みんなあしらって来たけど初めての彼氏が極道のしかも強極の組の人なんて自分でもビックリだ

あれから梓さんとはまた毎日連絡を取り合っているけど仕事で忙しいらしく会えずにいた

梓さんは会えるように仕事を頑張っているけど全然時間に余裕が出来ないらしく私は迷惑をかけないようにメールだけで我慢していた

梓さんが仕事終わったと言うメールが来るのが夜中でそれを確認するのが朝で忙しいのが毎朝感じさせていた。

放課後に真希と久しぶりに遊ぶことになり街に出てファミレスに行きパンケーキを頼み久しぶり女子話で盛り上がっていた。

「羽久安にも彼氏かぁ〜」

「私もビックリだよ」

「ま、やってる事はあれだけどあんだけ美男子なんだから女が黙ってないんじゃない?現に女遊び激しいって噂で聞いたし」

「ぅーん…ま、そうだね」

「大丈夫なの?」

「実はさ…前に梓さんが女の人といるとこと鉢合わせた事があってね」

「うそ!」

「本当。あれは見てるだけで辛かったよ」

「そっか…でも今は羽久安だけでしょ?」

「だといいけど」

よく良く考えたら私って梓さんのことを全然知らないかもしれない。2週間も経つのに梓さんの誕生日とかそういった事は何も知らなくて。

それに本当に女は私だけなのかな?
仕事とか言って本当はあの時みたいに女の人と一緒にいたりしないよね?

ダメだ…ネガティブな事ばかり考えてしまう
ちゃんと信じないといけないのに会えないとこんなにも不安になるなんて…

「羽久安あれって」

「ん?…あ」

真希が指さした方を見るとそこにはスーツを着た梓さんが何人か後ろに連れて橋爪さんと歩いていた。

凄く目立っていて周りの人達が梓さんを見ていた。特に女子は顔を赤くして梓さんを見ていて本当にモテるんだと実感する。

ファミレスの窓ガラスから見ていると遠いのに橋爪さんと目が合った。

橋爪さんはすぐに逸らしたからきっと目が合ったのは気のせいだと思い梓さんを見ると橋爪さんは梓さんの耳元で何か話していた。

梓さんは私のいるファミレスに視線をやると早歩きでファミレスに歩いて来た。

「ね、羽久安こっち来てない」

「うん…目が合った」

「あんな遠いのに?」

「うん…」

まさかと思っていると梓さんがファミレスに入ってきて店員さんをガンスルーして私の方へとズガズガと歩いて来た。

急に行き良いよく入ってきた梓さんを店員さんも周りのお客さんもビックリして視線を集めていた。

「羽久安…」

「…梓さん」

「真希ちゃんも一緒なんだね」

「はい」

「お久しぶりです」

「そうだね、泰賀が教えてくれたんだ」

「はい。目が合いましたから」

「何かちょっと悔しいな」

「え?」

「羽久安を見つけるのは他の誰でもない俺が一番だって思ってたのに泰賀に負けた」

「っ///」

「でも…やっと会えた」

梓さんはそう言いながらファミレスであるにも関わらず私の額に自分の額を付けて安心した顔をする。

すると私の隣に座り抱き寄せて私の首筋に顔を埋めて頭をなでる。恥ずかしくて私はただされるがままになっていた。

真希は呆れた顔をしてパンケーキを食べてて周りのお客さんはヒソヒソとしていた。

「あ、梓さん…ここファミレス」

「知ってる」

「恥ずかしい…っ」

「もう少しだけすぐ仕事戻らなくちゃいけないから許してね」

「…そうですか…」

少しが凄く長く感じてそれは恥ずかしいからなんだろうと思う。しばらくすると梓さんは私から離れて私の頭に手を乗せて微笑む。

「絶対時間作るからもう少し我慢してな」

「…はい」

「羽久安…寂しかったらいつでも電話しろよ」

「え…いいの?」

「当たり前だろすぐ出る」

「…ありがとう」

「じゃ、そろそろ行くな」

「はい」

「真希ちゃん邪魔してごめんね楽しんで」

「いえいえ」

「じゃ、連絡するね羽久安」

「頑張ってくださいね」

「ありがとう」

梓さんは私からゆっくり離れてファミレスを出ていった。外を見ると橋爪さんが近くの電柱に寄りかかって連れと待っていた。

梓さんが近寄ると呆れた顔をしていた。
梓さんはまた先頭に立ち橋爪さん達を連れて歩き出すが振り払って私に手を振って去って行った。

私はその背中を見えなくなるまで見つめていた。見えなくなると少し寂しくなる。

でも…少し梓さんの顔を見れて良かったな。

「羽久安幸せそうで良かった」

「え…」

「梓さんも本気そうだし」

真希は安心した顔をしながら窓の外を見ていて私もつられて見て真希に微笑みかけると真希も笑を返してくれてその後はファミレスを出てショッピングをして久しぶりに真希と楽しい一日を過ごした。

外は真っ暗で真希と分かれて帰った。
ふと額に手を当ててファミレスでの出来事を思い出してニヤける。

梓さんのぬくもりがまだ残ってて少しくすぐったくて幸せな気持ちになる。

「!?…もしもし」

「ごめん、我慢出来なくて俺からかけちゃった…いま大丈夫だった?」

「うん、嬉しいです」

「なら良かった!…羽久安明日会おう」

「え?お仕事なんじゃ…」

「1日くらい大丈夫だよ」

「でも…」

「羽久安は俺に会いたくないのか?」

「違うよ!」

「なら、明日会おう」

「はい」

急な梓さんからの電話にビックリしたけど声聞けるだけでこんなに安心するなんて思ってもなかった。

こんなに幸せでいいのかなってちょっと怖かったりするけど梓さんの気遣いと優しさになんだっていいやって思える。

「明日、学校まで迎えに行くよ」

「え!いいですよ。」

「ううん、迎えに行く、てか、俺が羽久安を迎えに行きたいから行かせて」

「っ…わかりました」

「何時に学校終わるの?」

「15時過ぎには…」

「わかった校門前で待ってるね?」

「はい」

「じゃ、まだ仕事あるから行くね?」

「はい、頑張ってください」

「うん、おやすみ羽久安」

「おやすみなさい」

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