チョコレートよりも甘い。
「そうなのかなぁ。結構美味しいけどね。ポテトチップス。」
と言いながら、ポテトチップスを次々と口に入れていく。
僕はしょっぱいものが少し苦手だ。だから佐藤はすごいと思う。
「僕は苦手だな。」
思ったことを口に出す。
その言葉を聞いた佐藤は分かっていたかのようにふっと笑う。
「じゃあ、何が好きなの?」
「チョコレート」
「やっぱり。」
僕が答えた言葉にやはり佐藤はにこりと笑うだけだった。
佐藤は何を考えているのだろうか。
こんなこと聞いたりして。
「っと、ここに1つのチョコレートがあります。」
突然、語り出した佐藤。佐藤の右手にはポテトチップス。左手にはチョコレートがあった。
「そしてチョコレートを君にあげます。」
投げられたチョコレートを僕はキャッチする。
チョコレートをくれるのは純粋に嬉しい。
けど…
「何企んでるの、佐藤。」
何もなしにチョコレートなんて佐藤がくれるわけない。