蜜月は始まらない
錫也くんのチームメイトである宗選手がホーム球場で行われる試合のペアチケットをくれた日から、約2週間が経った今日。
いよいよその試合の日を迎えた私は、いただいたチケットを持って東都ドーム行きのシャトルバスが出るバス停に来ている。
生まれて初めてのプロ野球観戦。
さすがにひとりで参戦する勇気は出なくて、私はたまたま休みが被っていた根本さんを思いきって誘った。
快く引き受けてくれた根本さんには、感謝の気持ちでいっぱいだ。
彼女自身特別プロ野球ファンというわけではないそうだけど、国際試合はテレビで観たことがあるし、もともと球場での観戦に興味があったとのこと。
そんなわけで迎えた当日、開場時間の少し前に東都ドームの最寄り駅にあるこのバス停で待ち合わせ、これから一緒に現地へと向かう予定だ。
「にしても、びっくりしちゃいましたよ~。まさか花倉さんの旦那さんになる人が、あの柊選手とは!」
「ね……っ根本さん、しぃ~!」
横並びにベンチへ腰かけ、バスを待つ最中。
いつもの元気な大きさの声で放たれたセリフに、私は慌てて人差し指を唇の前に立てながら彼女へ顔を寄せた。
根本さんはといえば、そんな私の反応を見てハッと自分の口を両手で覆っている。
いよいよその試合の日を迎えた私は、いただいたチケットを持って東都ドーム行きのシャトルバスが出るバス停に来ている。
生まれて初めてのプロ野球観戦。
さすがにひとりで参戦する勇気は出なくて、私はたまたま休みが被っていた根本さんを思いきって誘った。
快く引き受けてくれた根本さんには、感謝の気持ちでいっぱいだ。
彼女自身特別プロ野球ファンというわけではないそうだけど、国際試合はテレビで観たことがあるし、もともと球場での観戦に興味があったとのこと。
そんなわけで迎えた当日、開場時間の少し前に東都ドームの最寄り駅にあるこのバス停で待ち合わせ、これから一緒に現地へと向かう予定だ。
「にしても、びっくりしちゃいましたよ~。まさか花倉さんの旦那さんになる人が、あの柊選手とは!」
「ね……っ根本さん、しぃ~!」
横並びにベンチへ腰かけ、バスを待つ最中。
いつもの元気な大きさの声で放たれたセリフに、私は慌てて人差し指を唇の前に立てながら彼女へ顔を寄せた。
根本さんはといえば、そんな私の反応を見てハッと自分の口を両手で覆っている。