L*O*V*E
「そういやあ、凛。お前はいつまで俺のこと“先生”って呼ぶわけ?」
「え゛っ…」
チラッと助手席を見ると、案の定頬を赤らめた凛がいた。
「名前で呼んでみろよー。」
「な、なんで突然…」
「じゃあ、俺ももうお前のこと名前で呼ばない。おい、元生徒A!!」
「元生徒Aって!!それは嫌〜!」
相変わらず、からかいがいのあるヤツ。
そう思いながら運転していると…
「……………なお…と…」
助手席から、小さく俺を呼ぶ愛しい声が聞こえた。
名前を呼ばれるだけで、こんな幸福感で満たされるものなんだ。
そんな今の俺には、冗談を言う余裕なんてなくて。
目的地に着くと同時に、もう一度その声が聞きたいと思って…
「凛…もう一回。」
そう、呟いていた。