L*O*V*E

「こ、こんな場所でキスなんて…思い出しちゃうでしょ。」




恥ずかしくて陽から目をそらそうとしたら、陽の手が私の髪を撫でた。





そして、低くて優しい声で言ったの。




「思い出せばいい。俺が卒業しても、一日中頭の中、俺のことでいっぱいにしてよ…」




そう呟いた陽から、再びキス。




今度は優しく、そっと。




唇が離れる時にチュッと音がした。




静けさの漂う図書室では、すごく響いたような気がして顔が熱くなった。




陽の顔が再び近づいてきたので、私は急いで陽に伝えた。




「ま、待って…陽。今みたいに音立てるキスは響いちゃうから…」




そう言いかけた私に、陽は首をかしげた後、ニヤリと笑った。




「な、何…?」




「学校でこうやって隠れながら音立ててキスって、どんな感じ?」




「どんな感じって…」




返答に困っている私の唇に、陽のそれが重なる。




しかも、ワザと音がなるように。




チュッって音が、図書室内に響き渡る。

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