L*O*V*E
「もうっ!そうやって私のことからかうもんだから、焦げちゃったじゃないですかー。」
言葉とは裏腹に、真っ赤な顔でせっせとお皿にシチューを盛り付ける紗英。
仕事の疲れも、年齢の疲れも癒える、幸せな時間。
テーブルにシチューを盛り付けた皿が並び、いい匂いが漂う。
「…失敗しちゃったけど、味の保証はできないけど、食べて…ください…」
テーブルの向こう側で小さくなってる紗英を見て、思わずフッと笑みがこぼれる。
「紗英が一生懸命作ってくれたんだ。このシチュー、絶対美味いに決まってんだろ?」
そう言ってパチンと手を合わせ、紗英の作った愛情たっぷりのシチューを一口、口に入れた。
そんな俺の様子をじっと見つめる紗英。
心から美味いと思い、それをそのまま伝えようとした、その時だった。
「味はどうかな……しゅ、収史…さん…」