L*O*V*E
控えめに俺を呼ぶその声に、思わず目を見開く。





今…名前で呼んでくれたよな?





恥ずかしそうに俯く紗英が、何も言わない俺を不思議に思ってか、チラッと見上げた。





「え…部長、照れてる…?」




「…照れるに決まってんだろ。こんな不意打ちで名前呼ばれるなんて。」





思わず照れてしまった俺の姿が珍しかったようで、紗英は嬉しそうに微笑んだ。




そんな紗英に、半分本気、半分冗談でこんなことを言ってみた。





「…お前の作ったシチューがなかったら、速攻ベッドに押し倒してたよ。」





その瞬間、これでもかってくらい顔を真っ赤にさせた紗英。




…まあ、いっか。




紗英に俺の想いは伝わったようだし、せっかくのシチューは冷めないうちに食べたいし。





「ほら、紗英も食べろよー。」




「あっ、はい!いただきまーす!」




幸せそうにシチューを食べる愛しい彼女。



その笑顔に癒される。


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