L*O*V*E
しばらくのキスの後、名残惜しく唇を離すと…




息をあげ目を潤ませながら、紗英が俺を見上げた。





「…ただいま。」




「おかえり…なさい。」




そして、もう一度キス。




家に誰かがいるって、こんなにも幸せなことなんだ。




紗英が奥さんだったら…本当に嬉しい。




止められないキス。




手が勝手に、紗英のエプロンを剥ぎ取ろうとしていた。




「ぶ、ちょ……」




立っていられなくなったのか、必死に俺にしがみつく紗英から漏れた、部長という言葉。




自分の手が勝手にエプロンの紐を解いていたことに気づき、ハッと我にかえる。




ヤバかった…




マジでこのまま、襲うとこだった。





自分の欲望を満たすためだけに、この先に進むような年齢では、もうない。




紗英の気持ちが伴っていなければ、この先に進んだって惨めになるだけ。





「…さて、紗英ちゃんは今日何を食べさせてくれるのかな?」




自分を落ち着かせようと、紗英からパッと離れ、背を向けてしゃがんで靴を脱ぐ。




すると、頭上から消えそうなくらい小さな声が降ってきた。












「…わ、私を食べて………」



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