L*O*V*E
「……さき?…岬!」




「えっ、あっ…すみません。」




び、びっくりしたー!




健斗のことを考えていたら、まさにその健斗が目の前で手をブンブン振っていた。




「どうかしたか?」



「いえ、何でもありません。」



心配そうに顔を覗き込む健斗から、目をそらす。




「じゃあ、これ。プロジェクトの資料よろしく。佐伯部長には許可もらってるから。」



「はい、わかりました。」




資料を受け取る時、思わず健斗の左手の薬指を見てしまった。



キラキラと輝くリングは、もうない。




そんなことにホッとしている私は、変?




「岬、あとこれもよろしくな。」




「はい。」





追加で渡されたA4の用紙をひっくり返すと…




真っ白の用紙の端っこに、小さく“今夜由奈の家に行きたいデス”と書いてあった。




…キュン。



私…やっぱり、この人が好き。

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