L*O*V*E

前の時間の教習生なんだなと思っていたら…




「ねえ先生、あたし明日も先生の車乗れるから、また会えるよっ!!」




「ったく、あおいは…」




聞きたくない会話が、聞こえてしまった。




……ズキン。




ったく…なんて言いながら、顔は笑ってるし。




しかも、あおいって名前で呼んでるし。





私だけに笑顔を見せて、私だけを名前で呼んで…




私だけをほんの少し特別扱いしてくれてるのかと思ってたよ…。





紛らわしい態度とらないでよ。







…なんて、勘違いしていた自分が情けないし恥ずかしい。





「…バカみたい。」




これ以上7番の車に近づくのが怖くて立ち止まると、先を歩いていた陽が振り返った。





「凛、何してんだよ。行くぞ?」




「あ、ちょっと待っ…」




パッと陽を見た瞬間…




その向こうで、先生と目が合ってしまった。



< 15 / 180 >

この作品をシェア

pagetop