L*O*V*E
前の時間の教習生なんだなと思っていたら…
「ねえ先生、あたし明日も先生の車乗れるから、また会えるよっ!!」
「ったく、あおいは…」
聞きたくない会話が、聞こえてしまった。
……ズキン。
ったく…なんて言いながら、顔は笑ってるし。
しかも、あおいって名前で呼んでるし。
私だけに笑顔を見せて、私だけを名前で呼んで…
私だけをほんの少し特別扱いしてくれてるのかと思ってたよ…。
紛らわしい態度とらないでよ。
…なんて、勘違いしていた自分が情けないし恥ずかしい。
「…バカみたい。」
これ以上7番の車に近づくのが怖くて立ち止まると、先を歩いていた陽が振り返った。
「凛、何してんだよ。行くぞ?」
「あ、ちょっと待っ…」
パッと陽を見た瞬間…
その向こうで、先生と目が合ってしまった。