L*O*V*E
「ただいま、由奈。」




「おかえり、健斗。」





今までが特別だったんだ。




健斗に奥さんがいるから、みんな諦めていただけであって…




健斗が離婚した途端、このモテ具合。




優しくて、頼り甲斐のある性格は、より女子のハートを掴むよね。



じっと健斗を見つめながら、そんなことを考えていると…




「由奈…?今日変だぞ?体調悪い?」




健斗が心配そうに私を見つめていた。




「ご、ごめん。ヤキモチ…」



そう言いかけて、ハッと我にかえる。



今、私…ヤキモチなんて言ってしまっていた!




こんなんじゃ、重すぎるよね…私の気持ち……。




「…ヤキモチって、誰に?」



背後で健斗の声が聞こえた。



恥ずかしくて、うつむいたまま答えた。




「…女子社員みんな。……健斗のことかっこいいって。狙っちゃおうかなって…みんな、言うから…。」

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