L*O*V*E
すると、背後からぎゅっと抱きしめられた。
「それ、俺のセリフ。」
「え…?」
健斗が喋ると、首筋に吐息がかかってくすぐったい。
「由奈だって男性社員にモテモテなんだぞ。自覚してる?“岬はフリーだから”って狙われてんだぞ?」
そう言われてみると、仕事終わりにご飯でも…なんて誘われたこともあったかな。
だけど、少ない時間での健斗との密会を何よりも大切にしてたから、ことごとく断ってたっけ。
「俺はすぐにでも言いたいよ、由奈と付き合ってるって。…だけど、離婚したばかりの俺と付き合ってるなんて、由奈のイメージ悪くなってしまうの嫌なんだ。」
「健斗…」
いつだって健斗はそう。
誰よりも私を大事にしてくれる。
私を想ってくれる。
今まで表立って健斗を愛せなかった分、これからは健斗が喜ぶことを何でもしてあげたいな。