L*O*V*E
フッと笑った健斗が、軽々と私をお姫様抱っこした。
「参りましょうか、お姫様。」
そう言った健斗の表情がすごくカッコよくて…
本当の王子様みたいで、自分もお姫様になれたのかと錯覚してしまうほどで。
「好き…」
そう呟かずにはいられなかった。
ベッドに優しく寝かされると、上から健斗にまじまじと見つめられた。
「な、何…?」
「由奈、もっと俺に甘えて。」
もう充分甘えてるのに。
健斗に奥さんがいた時から、結婚生活の一部の時間を私は独り占めしてたんだから。
だから…
「………っ…」
「…由奈?なんで泣くの…?」
自分でもわからないけれど、気がつくと涙が溢れていた。