L*O*V*E

「なんだか最近、北原課長の人気すごいねー…」



「そうだね…」




お昼休憩。




同期で仲良しの紗英と一緒に、屋上でお弁当を食べながらため息をつく。




紗英にすら、私たちの関係は言えてなくて。



言っちゃったら、紗英はなんて思うかな。



不倫してたこと、軽蔑されちゃったり…するのかな。




私たちの関係は、佐伯部長にはバレてしまってるようだけど。



部長も、彼女である紗英にどうやら言ってないみたいだし…



「あ、部長と課長だ!」



紗英の声に、キャーっと黄色い歓声のする方を見る。




社内の“二大いい男”が颯爽と歩いてきた。




部長が私たちに(ていうか紗英に)気づいた。



「おう、お前ら!いつもここでメシ食ってんのな!」



「部長達はもう食べられました?」



部長と紗英が楽しそうに会話をしている隣で…



「弁当…美味そうだね。」



ニコッと微笑む、私の大好きな人。



「あ、ありがとうございます…」



こうやって返事するのがやっと。



ボロが出ないようにって、つい口数が減ってしまう。
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