L*O*V*E
「ね、健斗…」
「ん?」
私が健斗の名前を呼べば、必ず「ん?」って聞いてくれるところが大好き。
ちゃんとスイッチをオフにして、首をかしげるところも大好き。
「私、健斗に出会えてよかった。こんな幸せ、健斗とじゃなきゃ味わえなかった。」
そんな私の言葉に、健斗がグイッと私を抱き寄せた。
真っ白なお湯が波打つ。
私の肩に顎を乗せ、健斗が囁いた。
「俺も。ずっとずっと、こんな幸せを夢に描いてた。毎日穏やかで幸せな日々。それがこうやって、手に入ったんだな…」
「…うん」
前の奥さんに嫉妬しないわけではない。
今までの健斗の彼女たちにヤキモチを焼く時だってある。
私の知らない健斗を知ってる人はたくさんいるわけで。
だけど私は、いま目の前にいる健斗を心から愛したいなって思う。
「…愛してる」
無意識に口から出た言葉。
それを聞いた健斗はニッコリと微笑んで、私に甘い甘いキスをくれた。
「ずっと一緒にいような。」
【おわり】