L*O*V*E
「えっ、本当に?ドライブ嬉しい!!」
携帯で嬉しそうに電話しているのは、俺の姉の凜。
最近、自動車学校の教官と付き合い始めたらしい。
「ねえ陽、ドライブ誘われちゃった!!どこ行こうかなぁ!!」
最近の凜はずっとこんな調子。
純粋で汚れなき姉の、おそらく初めての恋は、無事に実った。
「陽も素敵な彼女ができるといいね。」
「…だね。」
凜の言葉に、愛想笑い。
俺は、相澤陽。
凛のように、純粋な心はこれっぽっちも持っていない男。