L*O*V*E
「あの…ごめんなさい。まさかあのお店に、うちの生徒がいるとは思わなくて…」
先生は足取りがおぼつかないらしく、近くの公園のベンチで少し休ませることにした。
「いえ。うちの店の売り上げに貢献していただき、感謝してますよ。」
そう返すと、ますますシュンとして小さくなる先生。
「面目無い…」
朝の、あの落ち着いた大人びた印象は何処へやら。
「いつもあんなに飲むんですか?」
「ううん、いつもは飲まないんだけどね…」
そう言って、先生はふと夜空を見上げた。
「私…元カレに突然フラレたの…。でね、さっき知ったんだ…彼の新しい恋人、私の親友だった。」
「え…?」
「学校で仕事を終えて、さあ帰ろうって駅まで歩いていたら、元彼と親友が腕組んで歩いてるとこに出くわしちゃってね…」
言葉の続きが途切れ、ふと先生を見ると…
夜空を見上げた理由がわかった。
先生の目尻から、涙がこぼれ落ちた。