L*O*V*E
大人びて見えても、弱い部分は持ってるんだな。




そう思った瞬間…




「俺が、忘れさせてあげますよ。」




自分の口から、言葉が勝手に飛び出した。





「な…何言って…る…の…」



俺が真面目な顔をしていたからか、先生の言葉尻に勢いがなくなる。




何言ってるの、は俺の台詞だ。



一体どうした、俺。




勝手に…身体が動く。





俺の右手が、先生の髪に触れた瞬間…



「ちょ…」



先生がベンチから勢いよく立ち上がろうとして、ベンチが後ろに倒れそうになり…




ハッと我に返ったオレ。



「危ないっ…」



とっさに先生を引っ張る。

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