L*O*V*E
ベンチごとひっくり返り、なんとか先生の下敷きとなり、彼女の怪我を防げたようだ。




「だ、大丈夫…?えっと…」




「…相澤。相澤陽。」





「あ、相澤くん…」




遠慮がちに呼ばれた名前に、胸がざわついた。




「…瑞穂先生。」





「な…何…?」





先ほどの空気感が、再び二人の間に流れる。





「わ、私帰るね…」




沈黙に耐えきれなくなったのか、先生が勢いよく立ち上がろうとしたので…





「………んっ…」





その腕を掴み、彼女の唇にキスをした。





その行動に驚いたのは…




お互い様で。





「え…な、なん……」





なんで、と言いたげな先生と向かい合いながら、自分自身の行動にただただ驚いていた。


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