L*O*V*E

今まで生きてきて、恋愛しなかったわけじゃない。



付き合ったりもしたし。





だけど…こんな気持ちになるのは、初めてだった。





こんな…会ったばかりの人に、目も心も奪われるなんて。




どうしても自分だけのものにしたいと思うなんて。





「先生は…キス、されたの嫌だった?」




「そ、そりゃ…」




そう呟きかけて、先生はそれっきり黙り込んでしまった。






「先生…?」




すると、大きく深呼吸をして、先生がポツリと呟いた。




「…私、つい最近彼氏に振られたんだよ?しかも、私の親友と浮気してて。」




「…うん」




「さっきの光景が頭から離れなくて、それでお酒に走ったんだよ?」



「…うん」




「…なのに、相澤くんにキスされた瞬間、そんなのすっかり忘れるくらい、君しか目に入らなくなったんだよ…?」






「…うん………え…?」





一瞬、聞き間違いかと思った。





だけど、目の前で真っ赤な顔して俺を見つめる彼女の顔を見たら、そうではないことに気づかされる。


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