L*O*V*E
「ほら紗英、声かけておいでよ!!」
ぼーっとあの頃を思い出していたら、由奈が私の肩を押してきた。
「ちょ、ムリムリ!!」
目が合うだけでもドキドキなのに、声かけるなんて、緊張どころじゃないもん!!
そんな、行く・行かないで押し合いっこしている時だった。
「なに揉めてんだ〜??」
「…ぶっっっ!!」
ぶちょおー!!??
そこに立っていたのは、紛れもなく佐伯部長。
私が一途に想い続けている白馬の王子様。
相変わらずさわやかな笑顔で、私達を見て笑っている。
「揉めてなんかないですよ。紗英が部長のこと尊敬してるって力説してきたんです。」
ちょ、由奈ー?!
なんてことを!!
これじゃあまるで告白じゃない!!
顔から火が出そう…。
部長に見られないように顔を隠そうとすると、部長の笑い声が聞こえた。
「あはは。尊敬してくれてるの?そりゃ嬉しいな。俺も瀬尾の頑張ってる姿、好きだぞー!!」
「好きなんてそんな………………へっ?」
今…好きって言った!?
私のこと、好きって言った!?
キャー!!!!!