L*O*V*E
「ほんと、紗英は頑張り屋さんですよね。」
由奈が部長の話に乗っかる。
部長も首を縦に振りながら続けた。
「そうそう。“紗英ちゃん”はいつも明るくて元気だからな。その調子で午後もがんばってくれよー!!」
そう言って、爽やかスマイルで手をひらひらさせながら去っていった部長。
そんな部長の遠ざかる背中を見ながら由奈に問いかけた。
「今………紗英ちゃんって呼んだよね?私のこと、紗英ちゃんって!!!」
「うんうん!!瀬尾じゃなくて、紗英って名前で呼んでたよ!!」
私の肩をパンパン叩きながら、由奈が嬉しそうに微笑んだ。
「う…嬉しいよぉ〜!!」
嬉しすぎて、思わず涙が出てしまったほど。
初めて名前で呼ばれた。
少しだけ、他の子より特別になれた気がして、本当に嬉しかった。