L*O*V*E

「ほんと、紗英は頑張り屋さんですよね。」




由奈が部長の話に乗っかる。





部長も首を縦に振りながら続けた。





「そうそう。“紗英ちゃん”はいつも明るくて元気だからな。その調子で午後もがんばってくれよー!!」





そう言って、爽やかスマイルで手をひらひらさせながら去っていった部長。





そんな部長の遠ざかる背中を見ながら由奈に問いかけた。





「今………紗英ちゃんって呼んだよね?私のこと、紗英ちゃんって!!!」





「うんうん!!瀬尾じゃなくて、紗英って名前で呼んでたよ!!」





私の肩をパンパン叩きながら、由奈が嬉しそうに微笑んだ。






「う…嬉しいよぉ〜!!」






嬉しすぎて、思わず涙が出てしまったほど。






初めて名前で呼ばれた。






少しだけ、他の子より特別になれた気がして、本当に嬉しかった。


< 44 / 180 >

この作品をシェア

pagetop