L*O*V*E

「あのさ、瀬尾って彼氏いるの?」





突然、佐伯部長に問いかけられた。





「え?彼氏はいません…けど…」





「ふうん。いや、さっき結婚がどうとか言ってたから、そんな日が近いのかと思って。」





そう言って、私の一歩前を歩く部長。





そんな部長の背中に私も問いかける。






「部長は、結婚しないんですか?お付き合いされてる方…とか、いらっしゃるんですか?」







バカバカ、私。





こんなこと聞いて…自分が惨めになるだけかもしれないのに。








すると、部長が歩みを止めた。






ぶつかりそうになって、私も止まる。






「…部長?」






「彼女なんていないよ。ただ…好きな人はいるけど。」






そう言って、振り返った部長に、私は泣きそうになる。








好きな人…いるんだ。





「そ…ですか……」





私の気持ちばれちゃうかもってくらい、落胆した声を出してしまった。




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