L*O*V*E
「北原。明日の会議の書類、目通しておいてくれるか?」
「わかりました、部長。」
佐伯部長から渡された書類を手に、自分のデスクに戻る。
それに目を通しかけた時…
「課長。」
頭上から俺を呼ぶ部下の声。
「頼まれていたデータ、完成しました。」
「ああ、ありがとう。そこ置いといて。」
その声に耳を傾けながらも、俺は書類から目を離さない。
「失礼します。」
そう言って去って行く後ろ姿を見ながら、置かれたCD-ROMに手を伸ばす。
そのROMの下に、一枚のメモが挟まれている。
“給湯室で待ってる”
そのメモをシュレッダーにかけ、トイレに行くふりをしながら給湯室に向かった。