L*O*V*E

夜6時半。




残業もそこそこに、俺は密会の場へといそいだ。





「由奈。」




ホテルの近くで待っていた由奈と合流し、その中へと入る。




まずはホテルの部屋から見える夜景を見ながら、ワインで乾杯。




しばらく飲んだ後、由奈が思い出したように俺を見て嬉しそうに笑った。




「あ、ねえ健斗。ビックニュースだよっ!!」





普段会社ではクールで口数も少なく、テンションが上がることがなければ、あまり笑うこともない。




そんな、クールビューティーの異名を持つ由奈だけど…






二人だけの時間になれば、俺のことを名前で呼ぶし、職場の由奈とは別人なくらい表情がコロコロ変わる。





それがたまらなく愛おしいんだ。







「…ねぇ、聞いてる??」






あ、しまった。




由奈のいいとこ探ししてたら、上の空になってしまった。




「あ、ごめんごめん。なんだった?」






「だから、ビックニュースだってば。部長と紗英が付き合い始めたんだよ!!」






「部長がねぇ……………って、佐伯部長!?」







ビックニュースどころの騒ぎじゃねーだろ!!






部長、いつの間に!?


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