L*O*V*E
「………どこまで付いてくるの?」




由奈のマンションに到着しエレベーターに乗った時、やっとタメ口で話してくれた。




「部屋に入るまで見届けるよ。」



そんな俺に、困ったような顔を向ける由奈。



部屋の前に着き、鍵を開ける由奈を見つめる。



その手が止まったので不思議に思って見たら、今にも泣きそうな顔をして俺を見上げる由奈が。




「由奈、どうし……」



「あんな素敵な奥さん、裏切っちゃだめだよね。私、最低……」



そう呟いてドアを開けた由奈。




そんな由奈を押し込むように、部屋に入り鍵を閉めた。




「ダメ、健斗。帰って…」



「由奈…」



「…帰って………」



ポロポロと涙を零す由奈を見て、俺の頭から完全に佐里の存在が消えた。





「帰ってって顔には見えないよ。由奈、俺を見て…」




泣きながら俺を見上げる由奈に、そっと口付ける。





そのキスで、由奈のストッパーが外れたようで…




俺の背中に手を回し、キスを求めてきた。




そして、ひとつずつ服を脱ぎながら、ベッドへと向かった。


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