L*O*V*E
互いに、願ってはいけないことだった。




口に出したくても、言えない想いだった。



ずっと一緒にいたい。





封印し続けていた気持ちは、溢れ出してしまったらもう、止められない。




「…俺も帰りたくないよ。ずっと由奈と一緒にいたい。」




そう呟き、由奈に再びキスをした。














「今日、職場で奥さんに初めて会って…負けたって思った。」



しばらくして、由奈がベッドの中でそう呟いた。




「健斗のこと家で支えられるのはやっぱり奥さんなんだなって思ったら…私なにやってるんだろうって。いい加減、健斗から身を引かなきゃって思った。…………けど…」




「けど…?」




腕枕をしながら、その手で由奈の肩を抱き寄せる。




「健斗と離れるなんてできない。ダメだって思えば思うほど、健斗を離したくなくなる…。独り占め…したくなるの…」




嬉しい言葉をぽんぽん言ってくれる由奈。




当の本人は罪悪感でいっぱいのようだけど、俺は素直に嬉しいと思った。





全ては、俺が悪い。




妻がいながら、いつまでもこんな関係続けてちゃだめなのに、由奈を失いたくない。




由奈の愛がなくなったら、俺は恐らく愛に飢えてしまう。




だからこれからも俺は、この手で由奈を抱き続けるんだ。




ただ、今日初めて由奈に帰るのを引きとめられたことで、俺の中で今まで考えないようにしていたある一つのことが脳裏をかすめた。




それは…





佐里との離婚。



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