L*O*V*E
「ちょうどいい。ちょっと顔貸せ。」
俺に背を向け、歩き始める部長。
表情が見えない分、何を思っているのかがわからない。
そんな部長に連れて来られたのは、屋上だった。
「さて、聞かせてもらおうか。昨日と同じスーツの訳を。」
「…部長。俺……」
どうする?
どう言えばいい?
いずれにしても軽蔑されるだろうが、言葉を選んで話さなければ。
そう思い言葉を詰まらせていると、部長がフッと笑った。
「ははは、ガラにもなく尋問みたいなマネしちゃったな。ちょっといじめすぎたな、悪い悪い!!」
「部長?」
驚いた俺の顔を見ながらもう一度笑った部長が、スッと真面目な顔に戻って言った。
「…岬といたのか?」
「えっ、どう…して……」
由奈とのこと、部長は気づいてたって言うのか?
手に汗を握る。