L*O*V*E
「お前たちのことは薄々気づいてた。安心しろ、俺以外は気づいてないから、きっと。」
「どうして…」
消え入りそうな俺の声に、部長が屋上のベンチに腰掛けながら答えた。
「お前が前に一度、奥さんから電話がかかってきた時、オフィスの廊下で話してただろ。たまたまそこを俺が通った時、岬も偶然居合わせたみたいでな。それはもう…すごく悲しそうな目でお前の後ろ姿を見てたんだよ。そこからお前らを観察してて、なんとなく。」
鋭すぎる、部長の観察眼。
…じゃなくて。
こんなバレバレでいいのかよ、俺。
ベンチに座ったままの部長に、思いっきり頭を下げた。
「悪いのは俺なんです。彼女は何も悪くない。だから、岬にはこのこと…」
そこまで言いかけると、部長の深いため息が聞こえた。
「お前はそんなバカだったのか?俺が岬にそんな報告すると思うか?俺は悲しいよ、お前にそんな風に思われてるなんて。もういいよ、北原なんて知ーらない。ばーか!!」
「ちょ、部長…えええ…」
突然駄々をこね拗ねてしまった部長。
部長ってこんなキャラ?
最近、部長のキャラがどんどん変わっていく気がする。