L*O*V*E
約束通り、今日は早く家に帰った。




「おかえり!!カレー作ってあるの。一緒に食べよ?」




明るく笑顔で出迎えてくれる佐里。





完璧な妻だ。






なのに、俺の勝手な都合で、この笑顔を消そうとしてるんだよな。





「佐里…話がある。」





こんなトーンで言えば、良くない話だってことくらいはわかるだろう。




ほら、佐里から笑顔が消えた。






「とりあえず…着替える?」





そう言った佐里の声が、少し震えている。




ごめん。




何度心で謝ったって、許されることではない。







だけど俺は、もう嘘つきたくないんだ。






佐里にも…自分にも。



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