L*O*V*E
「……由奈。」
名前を呼ぶと、由奈の肩がピクリと跳ねた。
「……しばらく休んで、連絡できなくてごめん。決めてたんだ、全てが片付くまで由奈に連絡しない…って。」
そんな俺の言葉に、由奈がパッと振り返った。
「え…全てが片付くまでって…どういう……」
「離婚…したんだ。」
由奈の瞳が、ゆらゆらと揺れている。
瞳に大粒の涙が溜まっている。
「ま、待って…私、健斗と奥さんの仲を壊したかったんじゃない…いい加減、健斗から離れなきゃって……」
こんな時でも俺と佐里の心配をしてくれる由奈が、本当に愛おしいよ。
「由奈、聞いて。由奈のせいじゃない。由奈が俺たちの仲を引き裂いたわけでもない。……前に話したことあったよな?高校の時の事故のこと。」
「奥さんが救急車呼んでくれたから助かったって話…?覚えてるよ。だから健斗は、私なんかじゃなくて、あの人と一緒に…」
「真実は違ったんだ。」
「…え?」
あの日起こった事故の真実を、不安そうに俺を見つめる由奈に説明した。
俺の話を聞くにつれ、涙がどんどん溢れていく由奈。
もう、我慢しなくていいんだ。