片恋スクランブル
prologue
「いいの……か?」
耳元で息を吐くように、彼が囁く。
「いい……だから……」
私は夢中で、彼の首に腕を回して力を込めた。
二の腕に直接触れた彼の背中は、じわりと温かい。
彼の唇が首筋に触れて、
彼の指が、私から身に付けている布を剥がしていった。
触れ合ったお互いの素肌が、溶けそうになるくらい熱い。
……好き。
……彼が大好き。
……だから……今だけ。