片恋スクランブル
「舞夏」
躊躇うように、御園生さんの腕が私の腰に回る。
「舞……夏……」
私はただ必死だった。
御園生さんの首に手を回して、しがみついていた。
「……舞夏……っ……」
何度も、何度も、何度も。
私の名前を呼ぶ、御園生さんの声が、そのたびに私の心臓を締め付けた。
苦しくて、
切なくて、
なにより……愛おしかった。
しがみつく私をベッドに座らせて、御園生さんは私の前にひざまづいた。
いつもは見上げるところにある彼の顔が、今はすぐそばにあった。
まっすぐに私に向かう、彼の視線から逃げられない。
「舞夏……」
呟きと同時に御園生さんの唇が私の瞼に触れる。
優しく触れた彼の唇が、微かに震えているのが分かった。
「御園生さ…………ンッ……」
御園生さんの名前を呟き、微かに開いた唇に、彼の唇が触れた。
一度離れた唇は、躊躇いながらも、啄むように……私の唇に、何度も、何度も触れた。
目を閉じて、私は彼から与えられるそのキスに酔っていた。
甘く、切ないキスに……。
徐々に、深くなるキスに……。