片恋スクランブル



一度吹き出した後は、顔を背けて肩を震わせる御園生さん。

一応、笑うのを必死で我慢しているのは認めるけど……。

我慢しきれてないからね?

むぅ……っ、と口を突きだし、御園生さんを上目使いに睨む。

「…………悪い」

かなりの時間がたってから、御園生さんが謝ってくれたけど、私の機嫌は最悪だった。

……だって、笑いすぎだし。

「本当に、ごめん」

今度は真剣に謝られて、少し怒りすぎたかとちょっと反省した。

「いいです。もぅ……」

既に冷めてしまったココアを啜る。

甘いけど、冷たい。

当たり前だけど、ココアはやっぱり温かい方が美味しいな。

「おかわり、する?」

問われて、首をふった。

「嬉しくて……つい」

御園生さんが柔らかく笑った。

……ドキッ、

まただ。

今日の御園生さんは、表情一つで私の心を揺さぶる。

「嬉しい……?」

「俺の言葉でアワアワする舞夏を見てんのが」

……はい?

一瞬言われた言葉が理解できなかった。

「私がアワアワするのを見て、どうして嬉しくなるんですか?」

素朴な疑問を投げ掛ける。

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