片恋スクランブル
コンタクト
*
なんとか落ち着いて会社を出たのは、19:00を過ぎてからだった。
……合コン、始まってるね。
今頃八木さんは、白川さんと……。
もともと叶わない望みだった。
花田さんに言った通り、見てるだけで満足出来た。
「キャッ!」
ぼんやり歩いていたせいで、急に後ろからぶつかられて、前のめりに膝をついて倒れた私は、かけていた眼鏡を落としてしまった。
全く見えない訳じゃないけど、視界がボヤケてしまう近視で。
……ないと困る。
あわてて立ち上がった私のすぐ側で、パシッと何かを踏みつけた音がした。
聞き覚えのある音。
……眼鏡、踏まれた?
見なくても分かる。 自分でもたまにやるから。
音のした方を見た途端、誰かが「うわっ?」と声を上げた。
その人物は、自分の足をよけて、その下にある何かを拾い上げている。
「眼鏡?」
間違いない、私のだ……。
私はその人に近付き、怖ず怖ずと声をかけた。
なんとか落ち着いて会社を出たのは、19:00を過ぎてからだった。
……合コン、始まってるね。
今頃八木さんは、白川さんと……。
もともと叶わない望みだった。
花田さんに言った通り、見てるだけで満足出来た。
「キャッ!」
ぼんやり歩いていたせいで、急に後ろからぶつかられて、前のめりに膝をついて倒れた私は、かけていた眼鏡を落としてしまった。
全く見えない訳じゃないけど、視界がボヤケてしまう近視で。
……ないと困る。
あわてて立ち上がった私のすぐ側で、パシッと何かを踏みつけた音がした。
聞き覚えのある音。
……眼鏡、踏まれた?
見なくても分かる。 自分でもたまにやるから。
音のした方を見た途端、誰かが「うわっ?」と声を上げた。
その人物は、自分の足をよけて、その下にある何かを拾い上げている。
「眼鏡?」
間違いない、私のだ……。
私はその人に近付き、怖ず怖ずと声をかけた。