デキる女を脱ぎ捨てさせて
 着いたマンションは予想通りの高級マンションだった。
 外観だけでも圧倒されるその華やかさについ心の声が漏れた。

「すごく素敵。」

「良かったら上がるかい?」

「いいんですか?」

 小窓を閉めてくるだけだし、急に人の家にお邪魔するなんて失礼だと思って車で待っているつもりだった。

 けれどこんな高級マンションにお邪魔するなんて、なかなかチャンスはないだろう。

「あぁ。いいよ。
 ……迂闊過ぎて心配になるけどね。」

「え?何が心配ですって?」

「いや、いいんだ。」

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