デキる女を脱ぎ捨てさせて
「花音ちゃん?
 もう。最近はすぐに頭がお出かけしちゃうんだから。」

 松山さんの呆れ声に現実に引き戻されて、松山さんと河内さんのニマニマした顔を順番に見比べた。

「あ、いえ。すみません。」

 本当。このところ浮かれ過ぎだ。
 いろんなことが怖いくらい順調で。

 お祭りの方もめどが立った。

 ただ、無かったものを一から作ろうとしている上に関係各所との調整もあって夏祭りのつもりが秋祭りになりそうなのは、当初の予定が大幅にずれ込んだ。

 今、着々と準備が進められている。

 ホタルについては天野のおじさんが農業組合の寄合で話してくれて何人もの有志を名乗り出てくれた人が勧めてくれている。

 それには子ども達も参加してくれて嬉しい限りだ。

 一番嬉しいのはフォレスト工業も倉林支社長も地元に認めてもらえて、受け入れてもらえたこと。
 最近では道行く人に倉林支社長へ温かい声をかけられることもあった。

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