デキる女を脱ぎ捨てさせて
「佳子さん。フォレストの兄ちゃんも腹を割って話してみればいい男だ。
 花音ちゃんもいい人に見初められたよ。
 許してやったら。」

 おじさんが助言をしても母は返事さえしない。

「とにかく突っ立っていてもなんだ。座敷に 入りんしゃい。よく話していきな」とおじさんに促されて座敷に入るとおじさんは厨房の方へ戻って行ってしまった。

 許してやったらも何も……。
 いい大人が付き合うことに親の許可がいるわけ?
 結婚の挨拶に来てるわけでもないのに……。

「失礼します。」

 母に一礼して、崇仁さんは母の前に腰を下ろした。
 私もおずおずと彼の隣に座った。

 だんまりの母に崇仁さんは口を開いた。
 それは私の知り得ぬことだった。

「佳子さんの話は母からよく聞いていました。
 その娘さんとこうして知り合えたのは何かの縁を感じずにはいられません。」

 それって……どういう……。
 崇仁さんのお母さんとうちの母が知り合いだったということ!?

 私の驚きは母のやっと口を開いた言葉で確信へと変わった。

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