デキる女を脱ぎ捨てさせて
ずっと母がフォレストを嫌っていた理由がやっと分かった気がした。
私の職場がフォレストに変わることを聞いた時の反応があまりにも異常だったのは、これほどまでに毛嫌いしていたからなんだ。
でも、だからって……。
私が口先まで出掛かった言葉を飲み込んだのは、彼が口を開いたからなのと、彼がまたしても思わぬことを口にしたせいだった。
「私が倉林の息子だからいけないのですか?」
「え?」
これには私の方が心の声が漏れてしまった。
しかしそれでも崇仁さんは話を続けた。
「私は倉林になんの未練もありません。
佳子さんが言われた通り父は弟を社長にするつもりでしょう。
私もそれでいい。
社長という地位に興味もないです。」
黙って聞いている母に崇仁さんは言葉を重ねた。
「支社長という地位も気に入らないのであれば一社員として入社し直してもいい。
入社し直しても私は山野支社に入ります。私はこの母の田舎が好きだし、それに…。」
真っ直ぐに母を見て話していた崇仁さんは私の方を見つめてからもう一度母を見据えて言った。
「ここには花音さんがいる。」
私の職場がフォレストに変わることを聞いた時の反応があまりにも異常だったのは、これほどまでに毛嫌いしていたからなんだ。
でも、だからって……。
私が口先まで出掛かった言葉を飲み込んだのは、彼が口を開いたからなのと、彼がまたしても思わぬことを口にしたせいだった。
「私が倉林の息子だからいけないのですか?」
「え?」
これには私の方が心の声が漏れてしまった。
しかしそれでも崇仁さんは話を続けた。
「私は倉林になんの未練もありません。
佳子さんが言われた通り父は弟を社長にするつもりでしょう。
私もそれでいい。
社長という地位に興味もないです。」
黙って聞いている母に崇仁さんは言葉を重ねた。
「支社長という地位も気に入らないのであれば一社員として入社し直してもいい。
入社し直しても私は山野支社に入ります。私はこの母の田舎が好きだし、それに…。」
真っ直ぐに母を見て話していた崇仁さんは私の方を見つめてからもう一度母を見据えて言った。
「ここには花音さんがいる。」