デキる女を脱ぎ捨てさせて
力なく彼の後ろをついていくと河内さんの席の前を通り過ぎる時に手の中に何かを渡された。
軽く握るとカサッという音がしてそれが紙なのだと分かった。
こちらを見る様子もない倉林支社長に隠れて渡された紙を確認した。
それは走り書きでこう書かれていた。
『花音ちゃん気にしちゃダメ。
この件は私たちにも同じ態度。
守りたいだけ。私たちを。』
私たちを守りたいだけ。
この一文に胸がキューッと苦しくなった。
泣きたかった心は別の理由で泣きたくなった。
こんな態度なのは憎まれ役を買って出てるってことなの?
つらいことは全部自分だけが受ければいいとでも?
思い返してみれば、すぐに倉林支社長へ電話を代わってさえいれば私が電話相手へ無駄に苛立つこともなかったし、先方に私まで呼び出されることもなかった。
私たちを守る為。そんなことの為に……。
この人は一人でどれだけのものを背負いこんでいるんだろう。
そう思うと切なくてそして寂しくなった。
軽く握るとカサッという音がしてそれが紙なのだと分かった。
こちらを見る様子もない倉林支社長に隠れて渡された紙を確認した。
それは走り書きでこう書かれていた。
『花音ちゃん気にしちゃダメ。
この件は私たちにも同じ態度。
守りたいだけ。私たちを。』
私たちを守りたいだけ。
この一文に胸がキューッと苦しくなった。
泣きたかった心は別の理由で泣きたくなった。
こんな態度なのは憎まれ役を買って出てるってことなの?
つらいことは全部自分だけが受ければいいとでも?
思い返してみれば、すぐに倉林支社長へ電話を代わってさえいれば私が電話相手へ無駄に苛立つこともなかったし、先方に私まで呼び出されることもなかった。
私たちを守る為。そんなことの為に……。
この人は一人でどれだけのものを背負いこんでいるんだろう。
そう思うと切なくてそして寂しくなった。