君がいるということ
4月 入学式
私は齊藤 風華(さいとうふうか)。栗高学園の高等部へ通う。私には幼稚園からの幼馴染がいて、高校まで一緒。幼馴染の名前は田中友喜(たなかゆうき)って言って、私にとって天敵で腐れ縁。
新たな人生を迎えるはずなのに、友喜がいるせいで何も変わらない登校だ。
友喜『風華、高校生になってもちっちゃいな〜。』
「うっさいなぁ( ̄^ ̄)」
友喜『ぷっ!てか、化粧しても変わらないからやめとけ〜不細工〜。』
本当にムカつく!!顔合わせるたびイライラさせてくる。何でこんな奴がモテるのか全然わからない。
友喜は幼稚園の時から女の子からモテモテでおまけに男子からも信頼されてて頭もいい。
女子A『ねぇねぇ、あの人かっこよくない?』
女子B『やばぁ!!』
一緒に登校してると必ず周りの人が、友喜をみて言うけど、私にとっては…
あのどこがカッコいいわけ!!?
顔が整ってても中身がクソじゃない!
みんな眼科行った方がいいΣ(-᷅_-᷄๑)
『風華〜(*^ω^*)!』
「光希、輝くんおはよ(^^)」
光希は笈沼光希(おいぬま みつき)っていって中学の時にできた友達で明るくて女子か憧れるような顔立ちと容姿で男子からはよく告白されていた。中2の最後に金谷 輝(かなや てる)と付き合い始めて、光希を狙ってた男子達と輝を狙っていた女子達はショックを受けて暫く現実逃避させるぐらい。付き合い始めて1年たった2人だけど、ラブラブでお似合いなカップル。
輝『2人ともおはよ』
友喜『光希ちゃん、制服めっちゃ似合ってるじゃん。風華なんか制服着てもちんちくりんだぜ』
「な、何ですって?!今日こそ絶対に許さないんだから〜」
私は友喜にパンチしようとしたが、簡単にかわされた。でも、光希はモデルって言われても違和感がないくらいスタイルが良いから友喜が言ってることは否定できないが、友喜言われるとイラつく。
光希『相変わらず2人も仲が良いね(*^ω^*)』
友喜・風華『「どこが?!」』
光希・輝『ぷっ…ハモった…(^-^)』
風華・友喜『「真似しないでよ!」すんな!』
私たちは中学の時と変わらない登校をした。そして学校に着いてクラス分け表を確認し、輝と光希はA組、友喜はC組、私はD組という感じになった。
「え?!友喜と別のクラスじゃん(*^ω^*)!!やぁったぁ(//∇//)」
友喜『お前、俺いなくても大丈夫かぁ?人と馴染むの苦手じゃねぇか』
「だ、大丈夫だもんねぇ〜だ!!光希と一緒になれなかったのは寂しいけど、友喜と離れるのは全然平気だもん( ̄^ ̄)」
友喜と別のクラスになったのが嬉しかったけど、教室に入って友喜の言ってることの意味がわかった。
教室には誰も知っている人はいなくて、心細さと不安が込み上げてきた。そう言えば、幼稚園の頃からずっと友喜と一緒だったから心細さとかはなかった。光希とも仲良くなったのも友喜を通じてだった。
ホームルームで自己紹介がやってきた。
先生『じゃあ、次は…齊藤。』
「ひゃいっ!!いっ!!」
舌噛んだ(ToT)
みんなもめっちゃ笑ってるし〜(ToT)
先生『ゆっくりで大丈夫だから、みんなにお前のこと教えてくれ。』
先生にもフォローされたし(ToT)
私ってこんなにあがり症だったのね…。
「えっと…齊藤風華です。あ、あの…よ、よろしくお願いします…。」
先生『あ…ありがとうな。座っていいぞ。』
やらかした〜(ToT)
よろしくしかでないなんて…。
光希…助けて(ToT)
自己紹介終わって入学式のため体育館に移動が始まった。
『ぷっ!ハムスターみてぇ』
振り返ると友喜がいた。友喜はひたすら笑って私を冷やかしてきた。
「ゆ、友喜!?何笑ってんのよ!」
友喜『だって…ぶっ!おどおどし過ぎψ(`∇´)ψ』
友喜に言い返したいけど、その通りすぎて言い返せない_| ̄|○
友喜は爆笑しながら、頭をわしゃわしゃしてきた。でも、友喜が話しかけてくれて救われた。
「友喜」
友喜『何だ?』
「あ、ありがとう…。」
友喜『……。ふ、風華…。ついに俺に惚れたか?』
「はぁ?わ、私が何でアンタなんかに惚れないと行けないわけ?!アンタに惚れることなんてないわよ!」
友喜『意地張るななって!まぁ、俺はイケメンだからなぁ〜躊躇する気持ちは分かるが…。』
「意地張ってないし、あなたのどこがイケメンなわけ?自意識過剰男!!」
先生『そこ!うるさいぞ!』
「す…すみません…。」
友喜のせいで先生に注意された。ちょっとはいいところもあるんだって見直した私が馬鹿だった。
先生『新入生代表挨拶、1年D組田中友喜。』
友喜『はい。』
えっ?
新入生代表挨拶って友喜だったの?!てっきり、輝だと思ってたのに。
友喜が代表挨拶をしていると、周りから…いや女子生徒達がイケメンとかカッコいいと言っている声が聞こえた。
どこがカッコいい?どこがイケメン?!みんな眼科行ってきた方がいいわ。友喜と目が合い友喜がこっち見て笑った。すると、私の周囲の女子が興奮していた。
入学式が終わって教室に戻ると、女子が私のところに来た。
女子A『齊藤さんだっけ?入学式の前にその…代表挨拶してた人と話してたよね?』
「え?あぁ、友喜のこと?」
女子B『友喜くんって言うんだ〜。えっと、齊藤って友喜くんと付き合ってるの?』
「はぁ?付き合ってるわけないじゃん。あんな意地が悪いやつお断りだよ!」
女子A『そうなんだ〜。ねぇねぇ、良かったら私に紹介してくれない?』
女子B『ずるい。私にも紹介して。』
高校でも友喜目当てで私に話しかけてくる。いい加減にしてほしい。私は友喜の情報屋じゃないっての。
「ごめんね。そういうのは自分たちでどうにかしてくれないかな?」
女子A『え?』
「他の人を当てにするんじゃなくて自分で伝えないと意味ないってことだよ。」
クラスの女の子は渋々納得した様子で私からはなれた本当は友喜の色恋沙汰に首突っ込むとロクなことがない。中学の時それで散々だったし。友喜のせいで、中学の時好きだった先輩にも振られるし最悪。
光希『風華、帰ろー(・∀・)』
「光希〜!!(ToT)」
光希『ど、どうしたの?!』
高校生活1日目が終わり、下校時間になって光希が私を迎えに来てくれた。光希に抱きつき今日の出来事を話した。
光希『相変わらずだね(*^ω^*)入学式前のやり取りは知ってたよ(・∀・)A組まで聞こえてたし(*^ω^*)』
「えっ?本当に?友喜のせいで私が先生に注意されたんだよ(ToT)」
友喜『人のせいにするなよ〜ハムスター。』
光希と話してたら、頭をぽんっと叩かれた。振り返ると友喜と輝がいた。下校途中、光希と輝は用事があると言って解散したが、きっとデートなんだろうなぁ。いいな〜私も恋愛がしたぁい。何でよりによって友喜と2人で帰らないと行けないのよ〜(ToT)
友喜『風華、俺たちも寄り道してこうぜ』
「どこ行くの?」
友喜『ハトバで桜フローズンが今日から期間限定で販売してんだよ』
「友喜も?!私もそれ気になってたの!」
私たちはハトバに行ったが、結構並んでて30分くらいしてやっとレジまで回ってきた。
友喜『えっと、桜フローズン2つ』
店員『桜フローズン2つで注文承ります。』
「あ、ちょっと待ってください。一つだけダークモカフローズンにしてもらえます?」
店員『では、桜フローズン1つとダークモカフローズン1つでよろしいでしょうか』
「はい。お願いします。」
友喜『何で一つダークモカにしたんだ?』
「え?だって友喜は桜もち苦手でしょ?さっきチラシ見たら桜もち風味って書いてあったから。それにハトバ来るときはいつもダークモカ頼んでたから注文した。」
友喜『ふ〜ん。やっぱり、お前は俺に惚れてー風華「惚れてない!」』
桜フローズンは思ったよりもさっぱりしてて美味しかった。友喜は桜餅は苦手だけど、桜フローズンは飲めなくはないらしい。飲み終わった後、友喜と色々見て回って家に着いたのは21時だった。
友喜『風華、大丈夫か?親に怒られんじゃねぇ?』
「大丈夫。その分、いっぱい満喫できたから(*^ω^*)私の方こそ、遅くまでありがとう(・∀・) 」
家に入った後、お母さんに1時間説教されて、クタクタになりながら部屋へ戻って、カーテンを開けたと同時に友喜もカーテンを開けた。まだ、言ってなかったね。私と友喜の家はお隣同士。
「あっ」
友喜『よぉ…さっきぶり。てか、説教長かったな(*^ω^*)』
「聞こえてたの?めっちゃ長かった〜1時間も説教されて、途中で眠くなっちゃった。」
友喜『お前の母ちゃんも大変だよな〜。手のかかりすぎる娘を持って(*^ω^*)』
「それ、どうゆう意味よ?!アンタに言われたくないわよ!」
友喜『俺は優等生だから、手がかからないんだよ(・∀・)へっ♪』
「ムカつく〜( ̄^ ̄)もう、寝る!!」
私はカーテンを閉めて、布団の中に入った。
友喜は何で私だけに意地悪ばかり言うんだろう。少しは私に優しくしてくれてもいいのに。
その日、私は夢をみた…。
その夢で私は友喜と楽しそうに笑って会話をしていた。
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