君がいるということ
友喜side
俺は田中友喜(たなか ゆうき)。
俺には昔から好きなやつがいるんだ。それは幼稚園の時に出会った齊藤風華(さいとう ふうか)だ。
中学の担任にもっと上の高校を勧められたが、俺は断り風華と同じ高校を選んだ。
今日は高校生活最初の登校日。
風華は相変わらずちっちゃくてふわふわしてて、風華を見ると化粧をしていた。
「風華、高校生になってもちっちゃいな〜。」
風華『うっさいなぁ( ̄^ ̄)』
友喜「ぷっ!てか、化粧しても変わらないからやめとけ〜不細工〜。」
俺はいつも風華に対しては素直になれない。本当は素直に風華の身長も制服姿も化粧も似合ってると言いたい。こんな自分が嫌になる。風華にだけ好かれたいのに好かれず、何故か他の女に好かれる。
風華は意外にモテる。中学の時、風華に告ったやつがいた。風華は顔を真っ赤にして嬉しいそうに笑っていた。俺は見てられず2人の話を割って入って、風華にはまた嫌われてしまった。風華が俺以外の奴と話しているの見るたびに俺はイライラしていた。
『風華〜(*^ω^*)!』
風華『光希、輝おはよ(^^)』
光希ちゃんと輝は何故か風華の事好きなことを知っている。何故この2人には気づいて本人には伝わらない。
輝『2人ともおはよ』
「光希ちゃん、制服めっちゃ似合ってるじゃん。風華なんか制服着てもちんちくりんだぜ」
「な、何ですって?!今日こそ絶対に許さないんだから〜」
俺はガキか!
また、思ってもないことを言って怒らせた。
でも、怒った風華も可愛いくてからかうのもやめられない。
風華『え?!友喜と別のクラスじゃん(*^ω^*)!!やぁったぁ(//∇//)』
俺は急いでクラス割をみた。輝と光希ちゃんはA組、俺はC組、風華はD組と書いてあった。初めて風華と別々のクラスになって俺はショックだけど、風華はすごい喜んでいた。
そんなに俺と同じクラスが嫌なのか。
「お前、俺いなくても大丈夫かぁ?人と馴染むの苦手じゃねぇか」
風華『だ、大丈夫だもんねぇ〜だ!!光希と一緒になれなかったのは寂しいけど、友喜と離れるのは全然平気だもん( ̄^ ̄)』
嘘つけ!
風華は昔から人見知りじゃねーか!
俺がどれだけ苦労したと思ってるんだ!お前と仲良くなるまで半年くらいかかったんだぞ。俺はモヤモヤしていた。輝が羨ましい。
入学式のために体育館へ移動してると、明らかにおどおどしているちっこいのがいた。あれは絶対に風華だ。人見知りは全然治ってないことに俺はホッとした。
「ぷっ!ハムスターみてぇ」
風華『ゆ、友喜!?何笑ってんのよ!』
「だって…ぶっ!おどおどし過ぎψ(`∇´)ψ」
風華は真っ赤になって、何も言い返せないという顔をしていた。そんな風華が可愛いすぎて、嬉しさを紛らわせるために頭をくしゃくしゃにした。
風華『友喜』
「何だ?」
風華『あ、ありがとう…。』
ドキッ!!
その顔は反則だろ!!
風華は無防備な笑顔でお礼を言ったのだ。
「……。ふ、風華…。ついに俺に惚れたか?」
風華『はぁ?わ、私が何でアンタなんかに惚れないと行けないわけ?!アンタに惚れることなんてないわよ!』
「意地張るななって!まぁ、俺はイケメンだからなぁ〜躊躇する気持ちは分かるが…。」
風華『意地張ってないし、あなたのどこがイケメンなわけ?自意識過剰男!』
仕方ねぇだろ!!からかうこと言わないとこちとら理性が飛びそうなんだから。このぐらい言わせろ!!
先生『そこ!うるさいぞ!』
風華『す…すみません…。』
あ…からかいすぎた…。
すごい冷たい目で俺をみた後、スタスタと歩いて行ってしまった。
入学式が始まって、俺は新入生挨拶として壇上へ上がった。挨拶してると、風華の姿が見えて不思議そうな顔をしてこっちをみている。きっと、輝か光希ちゃんがやるのだと思っていたのだろう。
下校時間になり4人で帰っていると、輝は光希ちゃんとデートすると言って別行動となった。
輝『友喜、せっかくの高校生活初日なんだからお前も齊藤と遊んでけよ(・∀・)』
「は?俺はいいけど、アイツが嫌がるだろ…。」
輝『いいこと教えてやる。この間、齊藤がハトバの桜フローズンが飲んでみたいと光希と話してたぞ。』
「は?そんな話題だしたら疑われるだろ!俺桜系の食べ物は苦手なんだ。」
輝『わがまま言うな!風華ちゃんと寄り道するチャンス逃してもいいのか?』
「てめぇ…」
風華『2人ともさっきからヒソヒソなに話してるの?』
輝が『なんでもないよ!応援してるって言っただけ。』
「輝、てめぇ」
輝と光希ちゃんは手を振りながら、俺の方をみてガッツポーズをした。俺はいつ話を切り出そうか様子を伺っていた。
「風華、俺たちも寄り道してこうぜ」
風華『どこ行くの?』
「ハトバで桜フローズンが今日から期間限定で販売してんだよ」
『友喜も?!私もそれ気になってたの!』
めっちゃ万遍な笑顔…。断られる覚悟で言ったのにいいんかい!!風華、食べ物に目がないのは知ってたけどそこまでとは…。
30分も待たされるのに動じもしない。
「えっと、桜フローズン2つ」
店員『桜フローズン2つで注文承ります。』
風華『あ、ちょっと待ってください。一つだけダークモカフローズンにしてもらえます?』
店員『では、桜フローズン1つとダークモカフローズン1つでよろしいでしょうか』
風華『はい。お願いします。』
「何で一つダークモカにしたんだ?」
風華『え?だって友喜は桜もち苦手でしょ?さっきチラシ見たら桜もち風味って書いてあったから。それにハトバ来るときはいつもダークモカ頼んでたから注文した。』
何でわかるんだよ…桜系の食べ物が苦手なのもダークモカフローズンが好きなことも知ってるくせに何で俺がお前を好きなことは全然気づいてくれないんだ…。
ハトバで桜フローズンを飲んだ後、色々とお店をみてたら、風華とお店をみるのが楽しくなって気づいたら、20時30分で家に着いたのが21時になってしまった。風華の中学の時の門限は18時までで、過ぎるといつも風華のお母さんに怒られた。
風華は大丈夫と言って、家に入ったがなかなか部屋に入ってこなかった。部屋に入ってきたのは1時間後で、俺はカーテンを開けて風華の様子を見ようとしたら、ちょうど風華もカーテンを開けた。
「よぉ…さっきぶり。てか、説教長かったな(*^ω^*)」
風華『聞こえてたの?めっちゃ長かった〜1時間も説教されて、途中で眠くなっちゃった。』
「お前の母ちゃんも大変だよな〜。手のかかりすぎる娘を持って(*^ω^*)」
風華『それ、どうゆう意味よ?!アンタに言われたくないわよ!』
「俺は優等生だから、手がかからないんだよ(・∀・)へっ♪」
風華『ムカつく〜( ̄^ ̄)もう、寝る!!』
バンっ
あ〜やらかした…。
普通はそこは遅くまで連れ回して悪かったなっていうところだろ!!
俺の高校生活の初日
反省の1日で終わった…。