君がいるということ
6月 光希side
入学してから2ヶ月経ちみんなクラスにも慣れてきた。そして輝はバスケ部員たちに期待されて、一年の中で唯一のスタメンになり、2週間後大会にでる。私は輝のそばに居たくて内緒でマネージャーとして男バスに入部した。

キャプテン『今日から新しいマネージャーの笈沼光希ちゃんだ。』

部員『うおおぉ!!レベル高くね!!』

輝『キャプテン〜リスバンなかったっすよ』

キャプテン『まじ?ちょっとみてくるわ!みんな先始めててくれ!』

部員『あいあいさー^_^』

輝『みんなテンション高いっすけどなんか良いことでもあったんすか?』

2年山田『新マネが入ったんだけど、すげー美人なんだよ!ほら!』

輝『へー。…って、光希ここで何やってんだ?』

「今日からマネージャーになったの^_^」

山田・部員『え?輝、知り合いか?』

輝『同中で俺の彼女だけど?』

部員『えええぇー∑(゚Д゚)』

輝はバスケ部の部員に私たちの関係を言った。私はちょっと照れくさかったけど、嬉しかった。しばらくするとキャプテンが戻ってきて、部活が始まって私は2年の先輩のマネージャーにマネージャーの仕事を学んであっという間に部活が終わった。マネージャーの仕事って意外とやる事が多くて頭がパンクしそうだった。

輝『なぁ、俺聞いてないんだけど』
「びっくりさせようと思って言わなかったんだぁ(^^)えへへ」
輝『光希にマネージャー務まるとは思えねぇけどな』
「もしかして怒ってる?」
輝『べつに』
「じゃあ、何でトゲトゲした言い方するわけ?」
輝『だから、怒ってねぇって』

私は輝のとげとげした言い方に腹が立って、初めて輝と喧嘩をした。私は意地でもマネージャーの仕事をこなして、輝を納得させしようと1週間精一杯挑んで、輝とは目も口も聞いてない。私達の異変に気付いた風華が輝たちにトイレに行くと言い、私の手を引き連れ出してくれた。私は風華に事の経緯をはなした。

風華『そうだったんだね…。』

「私はただ少しでも側にいたかっただけなのに…。」
風華『きっと、驚いちゃったんじゃないかな?それにバスケ部ののマネージャーって意外とハードだから心配になっちゃったのかもよ?』

「そうなのかなぁ」

風華『あ、もしかしたら試合が近いからじゃないかな?中学の時も試合前になるとピリピリしてたから。』

「え?そんなことあっけ?」

風華『うん、部活中にね。私、一応バスケ部のマネージャーだったから。輝は試合が近いと焦って練習中のミスが多かったから余計にイライラしてたのかも。だから、大丈夫なんじゃないかなぁ?』

私は風華と話しているうちに心のモヤモヤがだんだんと軽くなっていった。私は輝たちところへ戻りながら、輝とどうやって仲直りしようか考えていた。

?『あ、危ない!!!』

「え…?」

考え事をしていた私は階段のに気づかず、誰かの声で気づいた頃にはもう遅かった。私は、とっさに目をつぶったが、体に痛みを感じず目を開けてみると確かに階段から落ちたはずなのに外傷がない。

?『キャプテン大丈夫か!?』

キャプテン『痛たぁ(ー ー;)』

私を助けてくれたのは、キャプテンだった…。キャプテンは、大丈夫と言っていたけど足の腫れがひどく保健の先生に見せると全治3週間と言われ、再来週の試合に出れなくなってしまった。キャプテンはバスケ部の主力メンバーなのに…。

「ご、ごめ、ごめんなさい…。」

キャ『笈沼さん、気にしなくて大丈夫だって』

「で、でも…先輩にとっての大切な試合なのに私…!」
自分のせいでキャプテンやバスケ部のみんな…それに…輝にも…。少しでも輝の側にいたくて力になりたくて、バスケ部に入ったのに…これじゃ…これじゃ…。
キャ『え!?あ、ちょっと…気にしなくて大丈夫だから、泣かないで…』

「でも…私のせいで…うっ…」

これじゃ…役にたつどころか足手まといじゃない…。私、バカだ…一人で舞い上がっちゃって…。
私が泣いてると、キャプテンは私を抱き寄せた。

「?!せ、先輩??」

キャ『ふぅ〜。やっと泣き止んだ…。』

「先輩…」

キャ『笈沼さん、何かあった?』

「え?い、いえ…別に…。」

キャ『原因は金谷?』

「そ、それは…。」

キャ『わかりやすいね。まぁ、話したくないならいいけどね。』

私が怪我させたのに先輩は私を心配してくれている。先輩は優しく笑って、私の頭を撫でてくれた。

ガラガラ

『キャプテン怪我の様子どうですかー』

「輝…」

輝『光希…』

キャ『全治3週間だそうだ。だけど、金谷がいれば今回の試合はー』

輝『光希はさぁ、何がしたいの?こんな大事な時にキャプテン怪我させて、相談もせず勝手にマネージャーになったりさ』

キャ『おい。金谷そんな言い方…』

輝の言葉が私の胸に突き刺さった。やっぱり輝の言うとうり私にはマネージャーなんて務まらないし、輝の側にいたいだけでマネージャーになるんじゃなかったな…。

「そうだね…輝の言うとうり…本当私ってバヵ…」

私は保健室を飛び出した。もう、どうしたらいいか分からなくてガムシャラに走っていたら、誰かにぶつかってしまった。

「す、すみません!ぼーっとしててー」

『っと!大丈夫か?ってあれ?光希ちゃん…?』

風華『え?光希?』

「風華、田中くん!」

友喜『…。風華、俺飲み物買ってくるわ』

風華『了解』

田中くんは飲み物を買いに行ったが、多分私が話しやすいように風華と2人にしてくれた。私は風華の何かあったの?って言葉にまた涙が出てきた、風華は泣き止むまで背中をさすって、私のせいでキャプテンを怪我させたことや輝との出来事を話し、風華は静かに聞いてくれた。

風華『光希は悪くないよ。怪我させたのはわざとじゃないんだし、むしろ助けてくれたんたし感謝しなくちゃ。それに、マネージャーがむいてないって…光希は適任だと思うよ。気配りできるし、やると決めたら真剣にやるじゃん』

「向いてないよ。マネージャーに入ったのも軽い理由だし…。」

風華『最初はそんなもんじゃないかな?私も中学のバスケ部のマネージャーになったのは部活強制だったからだし。でも、光希は輝くんの側で力になりたくて入ったんだから軽い理由じゃないじゃん。それに、光希はましなほうだよ。』

「え?」

『そうそう!風華なんて何人怪我人だしたことか
分からないし、それに風華がマネージャーの時は部活が監獄になるしな。』

「田中くん!いつから…」

友喜『光希は悪くないってところからかな。』

風華『友喜…あんたね…覚えてなさいよ!!』

友喜『すぐ忘れる( *`ω´)』

風華たちはいつも通り喧嘩をはじめた。なんでこの二人は喧嘩してもすぐに仲直りできるんだろう。私は輝と仲直りできるのかな…。

風華『それにしても、輝くんひどくない?いくら内緒でバスケ部のマネージャーに入ったからって、そんなに怒る?』

友喜『あぁ。怒りたい気持ちはわからなくないが、ついつい感情が抑えきれなかったんだと思うぜ(^_^)』

風華・光希『「え??」』

友喜『輝、早く出てこいよ。ちゃんと言わねーと誤解されたまま終わっちまうぜ!』

田中くんが言うと、輝が階段のところから出てきた。そして風華と田中くんは、帰って2人きりになった。何て話しかけるか考えていた時、輝が私に話しかけてきた。

輝『さっきはごめん。言いすぎて…』

「そんなことないもん!私が黙ってマネージャーになったから、務まるはずないのに輝の側にいたいだけで、後先考えずにはいったからばちがあったたの。本当にごめん。」

輝『な、何言ってんだ!お前がマネージャー務まらないわけないだろ!むしろ似合いすぎて心配なんだ…。』

「え?」

輝『練習中、お前が違うやつと楽しそうにしてると集中してプレイできないんだよ(〃ー〃)それにさっきだって仲よさそうにキャプテンと話してたし…。お前がマネージャーになったのはすげー嬉しかった…ああああぁ!もうかっこ悪いぜ』

もしかして、嫉妬…?え…輝が私に?輝の気持ちを聞いて私はドキドキが止まらなかった。こんなにも私を好きになってくれるなんて思わなかったから。
私は輝に抱きついた。

輝『うおっと。光希…』

「嬉しい…。輝…大好き。誰よりも…輝が!!」

輝『俺もだ…。これからも俺の隣にいてくれるか?』

「もちろん!!」

絶対に離したりしないよ…だって私の心には輝が1番に反応するんだから。私たちは輝と仲直りのキスをして部活に戻った。

翌日

「輝、やっぱり主将がいないのはキツイんじゃないかなぁ」

輝『まぁな。でも、今回の相手はそんな強豪ではないから、何とかなるだろう。』

「主将と同じくらいの実力で、高身長な選手を引っ張っていける選手いないかなぁ」

輝『難しいだろうな…主将の存在は大きいからなー。』

『今日という今日は、ぜっっったい許さないんだから!!!!! 』

『いらないのかと思って食べてやったんだろ( ・∇・)感謝しろ〜(^∇^)』

後ろからいつものように、風華と田中くんが喧嘩をしながらやってきた。私は手を振ったが2人は気づかずに行ってしまった。

「相変わらずだね…あの2人…」

輝『いた…。』

「え?」

輝『主将より上回る実力で、高身長なやつ!しかもそれだけじゃない!選手の補佐ができるやつも^_^』

輝は目を輝かせて、風華と田中くんを見ていた。確かに田中くんは中学時代バスケ部だったけど、高校ではやらないと言っていた。でも、何で田中くんは輝が絶賛するくらい強いのに部活に入らなかったのかわからない。

「そんなに田中くんはすごいの?」

輝『あぁ、友喜は無名だった中学を1年で全国まで伸し上げたやつだ!しかも、未経験!』

「そ、そんなに?!じゃあ、何で高校ではやらないの?」

輝『だろ!?光希も思うよな!まじ、勿体ねー』

輝は興奮して、私に田中くんのすごい出来事を次々と話していた。輝は本当にバスケが大好きなんだなぁ。そして、田中くんを尊敬している…私は無邪気な輝の表情を見て自然と笑みがこぼれた。
昼休みに田中くんに頼もうとするが、話の途中で即答に断られた。

「そんなにあっさり断らなくてもいいじゃない!今回だけ主将のかわりにお願いしてるだけじゃん。次の試合には主将が戻ってくるんだから、」

友喜『だからなんだよ。仮にも俺が入って試合にでたとして、主将が戻ってきたら次試合に勝てるとでも?主将が引退したらお前らはどうするんだ?主将がいないと何もできない部になるのか?』

「それは…でも!」

風華『私も友喜の意見と同じかな。主将が怪我でいないからって部内でどうにもできないのであれば、それ以上強くなれないと思うよ。主将がいないからこそ部員が支えてあげないと。』

「じゃあ、どうすればいいの?!今回の試合で負けたら、主将は私のせいで高校の最後の試合出れず引退させちゃうじゃん!そんなのやだ…。」

風華『そうだね。今回は光希を助けてくれた主将のためだから、私でよければ協力するよ!』

友喜・光希『「は?!」』

輝『マジ!?それは助かる!!』

風華『選手の練習の補佐はできると思うから!』

輝『齊藤、サンキュー!』

輝は待ってました〜って感じで話していた。もしかして選手の補佐ができる人って風華のこと?

「ど、どういうこと!?」

輝『あれ?光希、齊藤がバスケ部のマネージャーだったのしってるだろ?』

「知ってるけど、何で風華が助けになるの?マネージャーって飲み物用意したりするだけじゃない?」

友喜『あぁ、普通はな。』

田中くんと輝が風華のことについて話し始めた。私たちの中学は部活必須で何かしらの部活に入らないといけなくて、私はテニス部だった。風華は運動も得意じゃなくて文化部も気に入った部がなく、田中くんにバスケ部のマネージャーに誘われて入ったらしい。最初は普通のマネージャーみたいにタオルとか水分とかコアの記入をしていたが、選手が練習に没頭できるように風華はマネージャー以外の練習のメニューも考えて、マネージャー兼監督みたいな感じになって、思いのほか試合で結果がでたため、バスケ部には欠かせないマネージャーになったらしい。

風華『輝くん、盛りすぎだよ(*´Д`*)』

友喜『そうだぜ、輝。こいつはふらふらしかしてないからな(^^)ってことで風華はやめといた方がいい。』

風華『むかっ(`_´)友喜、どういう意味!?』

友喜『お前が入っても変わらねってことだよ
(^^)』

輝『友喜、齊藤と帰れないからって齊藤いじるのやめたら?逆効果だと思うよ?笑笑』

友喜『輝、てめぇ。』

輝『そんなに心配なら友喜も今回だけくれば?別に齊藤いるなら俺はそれで十分だけど…。あぁ、齊藤可愛いからバスケ部で人気者になるかもな(^^)』

友喜『ああああ〜ったよ!やればいいんだろやれば!でも、今回だけだからな!』

こうして、風華を餌にして田中くんも協力してくれるようになった。だか、部員のみんなには不満の声が飛び交い、風華はミニゲームを提案し田中くんの実力を試すことになった。チーム分けは輝の方はスタメンメンバーに入り、田中くんの方は2年の先輩と1年のミックス…あまりにも田中くんの方が不利だった。チーム分けをしたのは風華で、田中くんのチームのベンチに入り、私と主将は輝の方にベンチ入りした。1クウォーターは輝の方が16点差をつけて終わり、2クウォーターが始まって5分で、16点差を田中くんが取り返して試合の空気は田中くんに変わり、危機を感じた主将はタイムアウトをとった。

主『金谷!!あいつは何者だ!?ありえねぇだろ!16点差をたったの5分で取り戻すなんて!』

輝『栗ヶ橋東中の田中友喜って聞いたことないで
すか』

主将『栗ヶ橋東って言ったら、俺たちの代が引退した後の新人戦からずっと負けなしで強豪になったところじゃねぇか?』

輝『そうです。友喜はそこの主将でしたし、実力は世界に通用すると思います。』

主将『そこまでの実力なのに、何でバスケ部に入らないんだ!?』

輝『その話は後で!今は、試合に集中しましょう。友喜は自分だけじゃなくて、チーム全体を強くするやつなんで、今度はほかの4人も要注意です。』

輝は話を戻して、この後の試合について話し始めた。だけど、輝の言った通り田中くん以外のメンバーがさっきの試合とは違い、どんどんシュートを決めて、試合終了の時には20点差まで突き放されていた。田中くんたちのチームは即決チームなはずなのに、ずっと組んできたチームみたいなプレーをしてた。

主将『田中って言ったっけ?』

友喜『そうだけど?』

主将『そこまでの実力があるのに何でバスケ部に入らないんだ?』

友喜『中学の時も部活入る気なかったんだけど、何かしら部活入らないといけなかったからバスケ部に入った感じだし。高校では強制的に部活入らなくていいから入らなかっただけだけど?』

部員・主将『マジかよ…。』

主将たちは田中くんの話を聞いて、がっかりしてなぜこの高校は全員部活制じゃないんだってなげいていた。田中くんは部員に実力を認められて、すぐに部員たちとも仲良くなった。そして、一番の驚きは風華だった。マネージャーの仕事をしながら、部員たちのサポートや部員たちの練習をみて個人個人の練習メニューも作成して、部員たちも私と同様に目を丸くした。

風華『主将さん、ちょっと聞きたいんですが…。初戦の相手ってどこですか?』

主将『あぁ、確か…美園学園だ!』

風華『み、美園学園?!!本当ですか?!』

主将『うわぁ!!び、びっくりした!!何事?』

風華の叫び声にみんな驚いて練習を中断して、風華のところに集まってきた。風華は考え込んでしまった。みんなが風華に話しかけると、今回厳しいとはっきり言われてしまった。

友喜『美園学園ってそんなに強いのか?』

主将『いや、そんなに強くわないぞ?去年見たけど、1回戦で敗退してたからな。』

友喜『じゃあ、大丈夫じゃね?』

風華『いや、今年はー。』

『私がいるからよね風華ちゃん(^^)』

いきなり聞いたことのない声が聞こえて来て、みんな声がする方へ向いた。だが、田中くんは青ざめた表情をしていた。

風華『も、萌川くん!!』

萌川『お久しぶりね!風華ちゃん、元気だったかしら(^^)?』

風華『どうしてここに?』

萌川『友喜くんが試合に出るって聞いたから、嬉しくて来ちゃったのよ♡』

友喜『来ちゃったのよじゃねぇよってか、抱きつくなぁ!気持ち悪りぃ!!』

萌川『もう♡友喜くんは照れ屋さんなんだからぁ(*´∇`*)』

友喜『照れてねぇよ!本心だっつーの!おわぁ〜だからやめろ〜!!』

萌川くんって言う人は美形でオネェキャラ。田中くんを見るなり、飛びついて田中くんは必死に抵抗していた。萌川くんと田中くんが話している間、風華は萌川くんのことについて話した。萌川くんは中学の時、全国の決勝で戦った相手で、中学卒業後に今度の対戦相手の美園学園に進学して、バスケ部に入部したらしい。

萌川『そう言うこと(^^)それに私だけじゃないわよ!美園学園には元栗ヶ橋東中のスタメンだった鞠子くんと市村くんもいるのよ(^^)』

友喜・風華・輝『鞠子(くん)と市村(くん)が?!』

輝たちの表情がすごく真剣な表情に変わっていった。萌川くんはどんなに田中くんが強くても、このチームじゃ無理と言って輝を最後に見て、萌川くんは家に帰った。私は少しイラッとして、萌川くんを睨みつけた。

2年部員『だ、大丈夫だろ!こっちだって、金谷と田中いるし!試合まで練習やれば大丈夫。』

風華『大丈夫じゃないです!萌川くんは普段はゆるい感じのキャラだけど、バスケのプレイに関してはずば抜けてます。それに鞠子くんと市村くんもいるとなると友喜と輝くんだけじゃ無理です。』

「そんなに強いの?」

主将『田中たちが言うんだからそうとうなんだろう。』

輝『主将、試合までの練習メニューを齊藤に任せてもいいですか?』

主将・風華『え?』

友喜『確かにな。その方が良さそうだ。』

主将『大丈夫なのか?』

友喜『風華じゃないと勝率はない』

普段田中くんは風華をいじって怒らせてるけど、田中くんは何だかんだで風華を1番頼りにしてるし大切に思ってる。それに、田中くんも輝もお世辞を言わないから、2人ともそれだけ風華を信頼しているんだろう。私は風華を見てると複雑な気持ちになった。

主将『齊藤さんの練習メニューってそんなに効果的なのか?』

輝『齊藤は3年間、鞠子と市村の練習を見ながらサポートしてたし、萌川に対してもかなり分析してる。今回の試合は齊藤の力が必要です。』

そして、主将は承諾して風華は部員全員の前で今後の練習について話した。普段の風華とは違う力強さが感じられた。

風華『次、走り込み始めます!!』

2年部員『ま、マジかよ…。』

風華に練習を見るようになってから、部員たちは悲鳴をあげている。でも、模擬戦をすると選手それぞれのプレイが格段に向上していて、1人を除いて風華に文句が言えない。

友喜『はぁはぁ…。俺は休むぞ!疲れたぁぁぁぁ。』

風華『あんたが1番やらなきゃダメでしょ!体力減ってるし。』

友喜『俺は強いからいいんだよ!それに合宿中なんだから明日やればいいだろう!』

そう来週に向けて私たちは土日休みに合宿をしている。合宿はチームとの絆を高め合えるらしい。朝からやってるけど、もう夕方で最後に走り込みをする予定だったが、田中くんはとめた。風華はみんなの体調をうかがうよにみて、今日の練習を終了し部員たちは大喜びして田中くんに手を合わせた。解散後、風華はダッシュしたので、私も後をついて行った。風華が向かったのは調理室だった。

「風華、いきなり走り出したと思ったら調理室で何するの?」

風華『男子たちがシャワー浴びてる間に晩御飯を用意するの』

「練習中に私が用意したのに!!」

風華『最初はそう考えたんだけど、今後は光希や先輩達が選手をサポートしてかなくちゃいけないじゃない?だから、みんなには選手がどんなことを考えてプレイしてるのかみてほしくて^_^』

私は風華に頼まれて先輩マネージャーたちを呼びにいこうとすると、調理室に相嶋くんが入ってきて、風華にお手伝いをお願いされてきたらしい。
みんなで、協力して晩御飯を用意したお陰で部員全員がシャワー浴び終わった頃に晩御飯のカレーも完成した。

2年部員『うめぇ(*´∀`*)』

1年部員『練習キツかったけど、こんなご褒美あるなら頑張れるわ〜』

風華『えっ?!本当にψ(`∇´)ψ?』

友喜『おい!お前!余計なこと言うなっ!』

1年部員『え?』

風華『じゃあ、明日は今日の練習の倍にするね(^^)』

部員全員『ま、マジかよ…』

晩御飯を終え、みんなで片付けをして寝る準備をしていたが、風華から校庭でミーティングをやるからみんなを集めた。なぜわざわざ校庭でミーティング??

風華『みんな集まった?!』

主将『何でここでミーティングすんだ?』

風華『それはですね…学校だからです!』

2年部員『学校だからって意味わからん!もしや、これからランニングとか?』

風華『そうだね^_^』

1年部員『さっき調理室で言ったこと実行しようとしてるのか。やめて…。』


風華『ぷっ!あはは(^^)大丈夫!これからやるのはお楽しみ会だから^_^』

輝『あっ!もしかして、例のあれか!?』

風華『輝くん正解!』

「例のって??」

風華『栗ヶ橋東中バスケ部恒例の行事、肝試しをやります』

2年『肝試し??!』

肝試しと聞いて、男子たちは最初乗ってこなかったが、校門から肝試しをやると事前に聞いていた女子生徒がやってきたのをみたとき、ガッツポーズをした。ペアは事前に風華が決めていたらしい。お化け役は部員の中でカレカノがいる人が選れ、私は風華と相嶋くんと一緒で、輝は別のところで脅し役になった。田中くんは5人分の肝試しに参加だった。

輝『懐かしいな(^^)』

「そうだね!私も一昨年参加させてもらったね」

輝『あの肝試しがきっかけで、光希と仲良くなったよな。』

「そうそう^_^」

輝『知らないと思うけど、あの肝試しからお前のこと気になり始めたんだぜ??』

「そ、そうなの!!?」

風華『輝くんと光希のお陰で栗ヶ橋東の間で恋の都市伝説が生まれたんだよ^_^』

「うわぁっ!!?ふ、ふ風華!!」

風華『最初は光希から輝くんが気になるって言われたから、合宿を利用して肝試しを開いたけど、他の組たちも大成功しちゃってさ!それから、合宿恒例の行事になったんだよね(^^)』

輝『え?合宿の前から気になってたの?』

「うっ…。ふ、風華!!」

風華『あ、ご、ごめん(^^)』

風華はやばいって顔をしてその場を去った。肝試しのルールを説明した後、威かし役の人たちは持ち場に向かった。私と風華と相嶋くんはゴール地点の視聴覚室に着き、待つこと30分後に最初の1組目がやってきた。

部員『ここでゴールか。ここに座れってことか?』

女子『そ、そうみたいだね…。』

1組目が椅子に座るのを確認すると、スクリーンが起動して、動画が流れた。その動画は1組目の部員の練習姿や休憩の姿などを撮った動画で、その動画にメッセージが次々と写されていた。私は動画を見終えて、動画を見ていた2人を見るとすごくいい雰囲気になっていたが、その間にお化けに変装した風華が2人の肩を叩いた。

風華『楽しそうだね〜あたしもまーぜーて…(*´-`)』

女子『きゃぁあああ』

部員『うわあああ』

風華は次々登場動画で2人がいいムードになった時に、幽霊役で2人の前に顔を出して驚かせていた。一番面白かったのは部員の1人がびびって泣き出したことで、ペアの女子がドン引きした顔が面白かった。
残り5組になった頃、次に入ってきたのは喧嘩をしながらやってきた主将の組だった。風華によると女の方は主将の幼馴染らしい。主将の動画はさっきまでとはちょっと違った。女の方を見ると、主将の動画をを愛おしそうに見ていた。

動画『私は日向が好きだ。本当は喧嘩なんかしたくないんだ。でも、日向を前にすると思ってもないことを言ってしまう。それに見ての通り私は、男っぽいだろ?こんな私は告白してもきっと振られるだけだから、日向とは今の関係のままでいたい…』

主将『……。』

『ど、どどうしてこれがここに!?!?ひ、日向こ、ここれは違うんだ。だ、だからその…き、気にするな…。』

主将の幼馴染は説明をしながら、目には大きな涙が流れていた。主将の幼馴染は視聴覚室から出てってしまった。主将はずっとスクリーンを見て固まってた。

動画『お互いに悪い面もいい面も全部含めて好きなのに、このまま行かせていいんですか?』

主将は最後の言葉を見て、視聴覚室から飛び出していって、風華は私にビデオカメラとベストカップル賞と書かれたシールを渡されて、主将たちのベストショット撮った後にベストカップル賞シールを背中に貼りに行くミッションを頼まれ、私は2人を追いかけた。
主将と女の人をビデオを撮りながら、私も前にこんなことがあったような気がした。考えていると2人はいい感じの雰囲気になったので、幽霊役に変装して風華に渡されたシールを背中にバシーンっと貼った。

主将・彼女『うわぁ!!び、びっくりした!!』

「お疲れ様です^_^ 主将、この調子でバスケの試合も頑張りましょうね^_^」

主将『な、な何言ってんだ…。』

2人は照れながら、校庭に向かって歩いていった。その背中を見たとき、思い出した。中2の夏、バスケ部の合宿に手伝いにいったときも、肝試しをやって、私は輝がクールだと思っていたけど、本当は熱い心があり、そんな意外な一面が私の心が輝に奪われた瞬間だった。


< 8 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop