【修正中】狼彼氏と子羊彼女
失ったもの
愛梨さんが診察室から帰ってくる間に馨は目を覚ました
「かっかおる!よかった…ほんとによかった」
涙は止まることを知らなくて溢れ出る涙を馨は
優しくぬぐってくれた
「かっ…馨だ。ほんとに馨なんだ!!」
いつもの
温かくて
大きくて
私の大好きな手…
私はその手をぎゅっと握った
-------ガラッ
病室のドアが開いて
愛梨さんが入ってきた
「馨が…目を覚ましました!」
空さんも
涙を必死でこらえていた
そんな中
馨のお母さんだけは…
なぜか下を向いて
私達に顔を見せようとしなかった
「あの…どうかしたんですか?」
「あのね…桃花ちゃん。馨は…ね」
「馨がどうかしたんですか?」
私は怖くなって
馨の手をより強く握った
…愛梨さんから聞いた言葉はあまりにも残酷なものだった
「嘘…でしょ…???」