御曹司は眠り姫に愛を囁く
母の一声に従い、三人でダイニングテーブルを囲んで、アイスコーヒーと私の買って来たバームクーヘンを切り分けて食べた。
「話って何?」
「貴方ももう二十六歳。結婚しても、おかしくない歳。
嫁に行く前に本当の話をしておこうと思ってね」
「本当の話?」
「実は凛音。私とお父さんの子供じゃないの」
次の瞬間、母が突拍子もないコトを言い出した。
「えっ?」
何の、事情説明もなく、言い放たれた言葉に驚きの返事だけで、次の語句が出てこない。
「結婚する時、戸籍を見るじゃない。そうしたら、自分が養女だってわかるでしょ?その前に、話しておこうと思って」
「じゃ私は誰の子?その…施設から貰い受けた子なの?」
「離婚してお前をシングルマザーで育てていたわしの姉の娘だ。姉は事故で、お前が二歳の時に亡くなった。その後はわしたち夫婦が引き取り、お前を育てた」
「お父さんのお姉さんの子・・・」
「これがわしの姉だ」
と父が立ち上がって、予め用意していた写真をテーブルにおいた。
「これが私のお母さん・・・」
初めて見る実の母。
ずっと一緒に暮らしていた母が継母で、まったく血の繋がりがなかったとは、寝耳に水の話。
「話って何?」
「貴方ももう二十六歳。結婚しても、おかしくない歳。
嫁に行く前に本当の話をしておこうと思ってね」
「本当の話?」
「実は凛音。私とお父さんの子供じゃないの」
次の瞬間、母が突拍子もないコトを言い出した。
「えっ?」
何の、事情説明もなく、言い放たれた言葉に驚きの返事だけで、次の語句が出てこない。
「結婚する時、戸籍を見るじゃない。そうしたら、自分が養女だってわかるでしょ?その前に、話しておこうと思って」
「じゃ私は誰の子?その…施設から貰い受けた子なの?」
「離婚してお前をシングルマザーで育てていたわしの姉の娘だ。姉は事故で、お前が二歳の時に亡くなった。その後はわしたち夫婦が引き取り、お前を育てた」
「お父さんのお姉さんの子・・・」
「これがわしの姉だ」
と父が立ち上がって、予め用意していた写真をテーブルにおいた。
「これが私のお母さん・・・」
初めて見る実の母。
ずっと一緒に暮らしていた母が継母で、まったく血の繋がりがなかったとは、寝耳に水の話。