御曹司は眠り姫に愛を囁く
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イベント初日。
月末の給料日の最初の週末とあって、9階は賑わった。
新作家具セレクションと同時開催のアウトレット家具やインテリアのバーゲンに人々が押し寄せた。
会員向けのイベントは言え、気軽にネットで招待券をコピーして持参すれは良く、誰でも入場可能だった。
本社からの応援も来て、いつもはガランとした休憩室も交代で食事や休憩する人でごった返す。
まさか…本社から差し入れとして仕出し弁当とペットボトルのお茶がタダで配布されるとは思わず、私は一人で隅っこのテーブルに椅子に座り、手作り弁当を頬張っていた。
「ここいいかな?」
「えっ?」
振り返ると仕出し弁当とペットボトルのお茶を持った副社長が立って居た。
私の隣の空席を指差す。
私は「どうぞ。副社長」と返した。
「ありがとう。貴崎さん」
副社長は椅子に腰を下ろすと私の弁当をジッと見た。
「手作り弁当?」
「つい癖で・・・」
「癖?」
「私、手作り弁当を持参しているんです」
イベント初日。
月末の給料日の最初の週末とあって、9階は賑わった。
新作家具セレクションと同時開催のアウトレット家具やインテリアのバーゲンに人々が押し寄せた。
会員向けのイベントは言え、気軽にネットで招待券をコピーして持参すれは良く、誰でも入場可能だった。
本社からの応援も来て、いつもはガランとした休憩室も交代で食事や休憩する人でごった返す。
まさか…本社から差し入れとして仕出し弁当とペットボトルのお茶がタダで配布されるとは思わず、私は一人で隅っこのテーブルに椅子に座り、手作り弁当を頬張っていた。
「ここいいかな?」
「えっ?」
振り返ると仕出し弁当とペットボトルのお茶を持った副社長が立って居た。
私の隣の空席を指差す。
私は「どうぞ。副社長」と返した。
「ありがとう。貴崎さん」
副社長は椅子に腰を下ろすと私の弁当をジッと見た。
「手作り弁当?」
「つい癖で・・・」
「癖?」
「私、手作り弁当を持参しているんです」