御曹司は眠り姫に愛を囁く
人をマウンティングする女なんて最低。

どうせ私には椎名さんは似合いませんよーーー・・・


エレベーターではなく、階段で下りようと踵を返すと椎名さんが立っていた。

「どこ行くんだ?貴崎さん」

「階段です」

「階段?」

椎名さんは白いブランドのロゴTシャツにGパン姿。

「ここは17階だぞ」

「運動の為です」

私は階段へと急いだ。

椎名さんも私を追いかけて、階段の踊り場へと付いてきた。

「椎名さん?」

「じゃ俺も運動する」

椎名さんは私に屈託のない笑みを浮かべて、肩を並べた。

「椎名さんは何処に行くんですか?」

「俺は1階のコンシェルジェデスクだ。スーツをクリーニングに出す」
左手に持っていた紙袋を見せる。

「君は?」

「駅前のスーパーに買い物です」

「買い物か・・・」

二人で階段を下りながら話をする。

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